自動吻合器PAS-Portを使用したCABG患者の遠隔期成績

【目的】当施設での冠動脈バイパス術 (CABG) におけるPAS-Port (Cardica Inc, Redwood City, USA) の使用について,その使用状況と遠隔期成績を調査したので報告する.【対象と方法】2004年1月から2015年6月までの間に当施設で施行した,PAS-Portを使用した心拍動冠動脈バイパス術 (OPCAB) 226例,261本を対象とし,遠隔期生存率および脳心血管イベント (MACCE) 回避率を調査した.【結果】退院時造影検査では,評価可能であった228本の開存率は98.7%であった.遠隔期生存率は1年94.4%,5年81.7%,10年56.7%であった....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本冠疾患学会雑誌 Vol. 23; no. 3; pp. 146 - 149
Main Authors 薦岡, 成年, 小島, 三郎, 若林, 尚宏, 東上, 震一, 畔栁, 智司, 降矢, 温一, 榎本, 匡秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本冠疾患学会 2017
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1341-7703
2187-1949
DOI10.7793/jcoron.23.16-00019

Cover

More Information
Summary:【目的】当施設での冠動脈バイパス術 (CABG) におけるPAS-Port (Cardica Inc, Redwood City, USA) の使用について,その使用状況と遠隔期成績を調査したので報告する.【対象と方法】2004年1月から2015年6月までの間に当施設で施行した,PAS-Portを使用した心拍動冠動脈バイパス術 (OPCAB) 226例,261本を対象とし,遠隔期生存率および脳心血管イベント (MACCE) 回避率を調査した.【結果】退院時造影検査では,評価可能であった228本の開存率は98.7%であった.遠隔期生存率は1年94.4%,5年81.7%,10年56.7%であった.MACCE回避率は1年94.8%,5年76.1%,10年59.2%であった.【結語】CABGにおいて,動脈硬化の進行によりPAS-Portを使用せざるを得ない症例でも,早期開存率,遠隔期生存率,MACCE回避率は良好であり,PAS-Portは妥当な手段と考える.
ISSN:1341-7703
2187-1949
DOI:10.7793/jcoron.23.16-00019