インプラント体とアバットメントの接合様式が曲げ荷重に及ぼす影響
目的：本研究は，インプラントの接合様式および傾斜角度が及ぼす曲げ荷重とたわみ量への影響について検討することを目的に行った．材料および方法：セメント合着アバットメント（TP），インターナル・テーパージョイントでアバットメントがストレート型（IA）および5°のテーパー型（IB）の各インプラントをJIS4種チタン材を用い製作した．曲げ荷重およびたわみ量は傾斜10°，20°および30°にて万能試験機を用い，各5個について測定を行った．各測定値は一元配置分散分析とTukeyの多重比較検定（危険率：5％）を用いた．測定後，CTにより観察を行った．結果：傾斜10°の曲げ荷重（N）は，TPが約5,060，IB...
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| Published in | 日本口腔インプラント学会誌 Vol. 37; no. 2; pp. 145 - 154 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
30.06.2024
日本口腔インプラント学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0914-6695 2187-9117 |
| DOI | 10.11237/jsoi.37.145 |
Cover
| Abstract | 目的：本研究は，インプラントの接合様式および傾斜角度が及ぼす曲げ荷重とたわみ量への影響について検討することを目的に行った．材料および方法：セメント合着アバットメント（TP），インターナル・テーパージョイントでアバットメントがストレート型（IA）および5°のテーパー型（IB）の各インプラントをJIS4種チタン材を用い製作した．曲げ荷重およびたわみ量は傾斜10°，20°および30°にて万能試験機を用い，各5個について測定を行った．各測定値は一元配置分散分析とTukeyの多重比較検定（危険率：5％）を用いた．測定後，CTにより観察を行った．結果：傾斜10°の曲げ荷重（N）は，TPが約5,060，IBは約3,850，IAが約3,030であり，各試験片間に有意差（p＜0.001）が認められた．傾斜20°ではTPが約1,640，IAおよびIBは約1,420であり，TPとIAの間およびTPとIBの間に有意差（p＜0.001）が認められた．傾斜30°ではTPが約910，IAが約870，IBが約840であり，TPとIAの間およびTPとIBの間に有意差（p＜0.001）が認められ，IAとIBの間に有意差（p＝0.008）が認められた．たわみ量（mm）については傾斜10°で0.49～0.68であり，TPとIAの間およびIAとIBの間で有意差（p＜0.001）が認められた．傾斜20°では0.56～0.61であり有意差が認められず，傾斜30°では0.70～0.84であり，TPとIAの間（p＝0.004）およびTPとIBの間で有意差（p＜0.001）が認められた．カラー部の隙間は傾斜20°と30°で観察された．結論：接合様式，傾斜角度は曲げ荷重，たわみ量と隙間の形成に影響を及ぼすことが明らかとなった． |
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| AbstractList | 目的: 本研究は, インプラントの接合様式および傾斜角度が及ぼす曲げ荷重とたわみ量への影響について検討することを目的に行った. 材料および方法: セメント合着アバットメント(TP), インターナル・テーパージョイントでアバットメントがストレート型(IA)および5°のテーパー型(IB)の各インプラントをJIS 4種チタン材を用い製作した. 曲げ荷重およびたわみ量は傾斜10°, 20°および30°にて万能試験機を用い, 各5個について測定を行った. 各測定値は一元配置分散分析とTukeyの多重比較検定(危険率: 5%)を用いた. 測定後, CTにより観察を行った. 結果: 傾斜10°の曲げ荷重(N)は, TPが約5,060, IBは約3,850, IAが約3,030であり, 各試験片間に有意差(p<0.001)が認められた. 傾斜20°ではTPが約1,640, IAおよびIBは約1,420であり, TPとIAの間およびTPとIBの間に有意差(p<0.001)が認められた. 傾斜30°ではTPが約910, IAが約870, IBが約840であり, TPとIAの間およびTPとIBの間に有意差(p<0.001)が認められ, IAとIBの間に有意差(p=O.008)が認められた. たわみ量(mm)については傾斜10°で0.49～0.68であり, TPとIAの間およびIAとIBの間で有意差(p<0.001)が認められた. 傾斜20°では0.56～0.61であり有意差が認められず, 傾斜30°では0.70～0.84であり, TPとIAの間(p=0.004)およびTPとIBの間で有意差(p<0.001)が認められた. カラー部の隙間は傾斜20°と30°で観察された. 結論: 接合様式, 傾斜角度は曲げ荷重, たわみ量と隙間の形成に影響を及ぼすことが明らかとなった. 目的：本研究は，インプラントの接合様式および傾斜角度が及ぼす曲げ荷重とたわみ量への影響について検討することを目的に行った．材料および方法：セメント合着アバットメント（TP），インターナル・テーパージョイントでアバットメントがストレート型（IA）および5°のテーパー型（IB）の各インプラントをJIS4種チタン材を用い製作した．曲げ荷重およびたわみ量は傾斜10°，20°および30°にて万能試験機を用い，各5個について測定を行った．各測定値は一元配置分散分析とTukeyの多重比較検定（危険率：5％）を用いた．測定後，CTにより観察を行った．結果：傾斜10°の曲げ荷重（N）は，TPが約5,060，IBは約3,850，IAが約3,030であり，各試験片間に有意差（p＜0.001）が認められた．傾斜20°ではTPが約1,640，IAおよびIBは約1,420であり，TPとIAの間およびTPとIBの間に有意差（p＜0.001）が認められた．傾斜30°ではTPが約910，IAが約870，IBが約840であり，TPとIAの間およびTPとIBの間に有意差（p＜0.001）が認められ，IAとIBの間に有意差（p＝0.008）が認められた．たわみ量（mm）については傾斜10°で0.49～0.68であり，TPとIAの間およびIAとIBの間で有意差（p＜0.001）が認められた．傾斜20°では0.56～0.61であり有意差が認められず，傾斜30°では0.70～0.84であり，TPとIAの間（p＝0.004）およびTPとIBの間で有意差（p＜0.001）が認められた．カラー部の隙間は傾斜20°と30°で観察された．結論：接合様式，傾斜角度は曲げ荷重，たわみ量と隙間の形成に影響を及ぼすことが明らかとなった． |
| Author | 臼井, 龍一 長井, 哲弥 伊藤, 充雄 吉田, 貴光 中島, 奈津紀 植松, 厚夫 笹生, 宗賢 名取, 健寿 |
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| ContentType | Journal Article |
| Copyright | 2024 公益社団法人日本口腔インプラント学会 |
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| CorporateAuthor | 関東・甲信越支部(総合インプラント研究センター 大阪歯科大学歯科理工学講座(主任:橋本典也教授 近畿・北陸支部(総合インプラント研究センター 施設センター長:植松厚夫 |
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| DOI | 10.11237/jsoi.37.145 |
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| EISSN | 2187-9117 |
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| ISSN | 0914-6695 |
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| Issue | 2 |
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| PublicationDecade | 2020 |
| PublicationTitle | 日本口腔インプラント学会誌 |
| PublicationTitleAlternate | 日口腔インプラント誌 |
| PublicationYear | 2024 |
| Publisher | 公益社団法人 日本口腔インプラント学会 日本口腔インプラント学会 |
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| References | 13) Pessoa RS, Sousa RM, Pereira LM, et al. Bone remodeling around implants with external hexagon and morse-taper connections:a randomized, controlled, split-mouth, clinical trial. Clin Implant Dent Relat Res 2017;19:97-110. 9) 臼井龍一，松田健男，関矢泰樹，ほか．上部構造の高径とインプラント体の長さの比がカラー部のひずみに及ぼす影響：高径/インプラント体の比とひずみの関係．日口腔インプラント誌 2020；33：36-44 1) 松崎達哉，松下恭之，古谷野 潔．オーバーロードとインプラント治療の偶発症．日補綴歯会誌 2015；7：305-313 8) 河野恭範，臼井龍一，上野憲秀，ほか．インプラントカラー部の厚さが最大曲げ荷重とひずみに及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2021；34：1-10 6) 関矢泰樹，河野恭範，松田健男，ほか．インプラントの埋入角度とカンチレバーがカラー部のひずみに及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2020；33：366-374 7) 石川昌洋，仲井太心，堤 浩一郎，ほか．三次元有限要素法を用いた下顎臼歯3歯欠損におけるインプラント体数および配置が垂直時に骨に与える影響．日歯産会誌 2014：28：30-35 5) 岩田雅裕，松田健男，臼井龍一，ほか．インプラントの傾斜角度がカラー部のひずみに及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2018；31：320-329 19) Nascimento CD, Miani PK, Pedrazzi V, et al. Leakage of saliva through the implant-abutment interface:in vitro evaluation of three different implant connections under unloaded and loaded conditions. Int J Oral Maxillofac Implants 2012;27:551-560. 3) 保志美砂子，松下恭之，木原優文，ほか．インプラント破折に関する生体力学的検討．日口腔インプラント誌 2002；15：192-198 4) 吉野 晃．インプラントの上部構造体高径とフィクスチャーの長さの比がインプラント周囲骨のひずみに及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2001；14：398-413 12) Gehrke SA, Sardà JAJ, Anina DB, et al. Analysis of implant strength after implantoplasty in three implant-abutment connection designs:An in vitro study. Int J Oral Maxillofac Implants 2016;31:e65-e70. 16) Lindhe J, Meyle J. Peri-implant disease:Consensus report of the sixth European workshop on periodontology. J Clin Periodontol 2008;35:282-285. 18) 恒吉隆奥，佐々木匡理，松下恭之，ほか．インプラント治療における問題症例の臨床的検討．日口腔インプラント誌 2011；24：396-404 14) 歯科用骨内インプラントの動的疲労試験方法（JIS T 6005：2020，1-19） 2) 松下恭之，木原優文，鮎川保則，ほか．固定性インプラント補綴における咬合調整を考える．日口腔インプラント誌 2016；29：65-70 17) Gazil V, Bandiaky ON, Renard E, et al. Current data on oral peri-implant and periodontal microbiota and its pathological changes:A systematic review.Microoganisms 2022;10:2466-2484. 20) 堀内克啓．インプラントカラー部の形状・性状とインプラント周囲炎との関連．日口腔インプラント誌 2016；29：208-218 10) Gehrke SA. Importance of crown height ratios in dental implants on the fracture strength of different connection designs:An in vivo study. Clin Implant Dent Relat Res 2015;17:790-797. 11) 関矢泰樹，遠藤輝久，伊藤 聖，ほか．アバットメントの緩みがインプラントカラー部のひずみに及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2018；31：21-28 15) 宮本洋二，藤澤健司，住友考史，ほか．インプラントの表面形状がオッセオインテグレーション獲得に及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2004；17：216-226 |
| References_xml | – reference: 8) 河野恭範，臼井龍一，上野憲秀，ほか．インプラントカラー部の厚さが最大曲げ荷重とひずみに及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2021；34：1-10． – reference: 12) Gehrke SA, Sardà JAJ, Anina DB, et al. Analysis of implant strength after implantoplasty in three implant-abutment connection designs:An in vitro study. Int J Oral Maxillofac Implants 2016;31:e65-e70. – reference: 1) 松崎達哉，松下恭之，古谷野 潔．オーバーロードとインプラント治療の偶発症．日補綴歯会誌 2015；7：305-313． – reference: 2) 松下恭之，木原優文，鮎川保則，ほか．固定性インプラント補綴における咬合調整を考える．日口腔インプラント誌 2016；29：65-70． – reference: 5) 岩田雅裕，松田健男，臼井龍一，ほか．インプラントの傾斜角度がカラー部のひずみに及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2018；31：320-329． – reference: 7) 石川昌洋，仲井太心，堤 浩一郎，ほか．三次元有限要素法を用いた下顎臼歯3歯欠損におけるインプラント体数および配置が垂直時に骨に与える影響．日歯産会誌 2014：28：30-35． – reference: 9) 臼井龍一，松田健男，関矢泰樹，ほか．上部構造の高径とインプラント体の長さの比がカラー部のひずみに及ぼす影響：高径/インプラント体の比とひずみの関係．日口腔インプラント誌 2020；33：36-44． – reference: 6) 関矢泰樹，河野恭範，松田健男，ほか．インプラントの埋入角度とカンチレバーがカラー部のひずみに及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2020；33：366-374． – reference: 15) 宮本洋二，藤澤健司，住友考史，ほか．インプラントの表面形状がオッセオインテグレーション獲得に及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2004；17：216-226． – reference: 10) Gehrke SA. Importance of crown height ratios in dental implants on the fracture strength of different connection designs:An in vivo study. Clin Implant Dent Relat Res 2015;17:790-797. – reference: 16) Lindhe J, Meyle J. Peri-implant disease:Consensus report of the sixth European workshop on periodontology. J Clin Periodontol 2008;35:282-285. – reference: 19) Nascimento CD, Miani PK, Pedrazzi V, et al. Leakage of saliva through the implant-abutment interface:in vitro evaluation of three different implant connections under unloaded and loaded conditions. Int J Oral Maxillofac Implants 2012;27:551-560. – reference: 17) Gazil V, Bandiaky ON, Renard E, et al. Current data on oral peri-implant and periodontal microbiota and its pathological changes:A systematic review.Microoganisms 2022;10:2466-2484. – reference: 3) 保志美砂子，松下恭之，木原優文，ほか．インプラント破折に関する生体力学的検討．日口腔インプラント誌 2002；15：192-198． – reference: 13) Pessoa RS, Sousa RM, Pereira LM, et al. Bone remodeling around implants with external hexagon and morse-taper connections:a randomized, controlled, split-mouth, clinical trial. Clin Implant Dent Relat Res 2017;19:97-110. – reference: 11) 関矢泰樹，遠藤輝久，伊藤 聖，ほか．アバットメントの緩みがインプラントカラー部のひずみに及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2018；31：21-28． – reference: 18) 恒吉隆奥，佐々木匡理，松下恭之，ほか．インプラント治療における問題症例の臨床的検討．日口腔インプラント誌 2011；24：396-404． – reference: 20) 堀内克啓．インプラントカラー部の形状・性状とインプラント周囲炎との関連．日口腔インプラント誌 2016；29：208-218． – reference: 4) 吉野 晃．インプラントの上部構造体高径とフィクスチャーの長さの比がインプラント周囲骨のひずみに及ぼす影響．日口腔インプラント誌 2001；14：398-413． – reference: 14) 歯科用骨内インプラントの動的疲労試験方法（JIS T 6005：2020，1-19）． |
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| SubjectTerms | たわみ量 インターナル・テーパージョイント セメント合着アバットメント 傾斜角度 曲げ荷重 |
| Title | インプラント体とアバットメントの接合様式が曲げ荷重に及ぼす影響 |
| URI | https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsoi/37/2/37_145/_article/-char/ja http://mol.medicalonline.jp/en/journal/download?GoodsID=es7impla/2024/003702/012&name=0145-0154j |
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| ispartofPNX | 日本口腔インプラント学会誌, 2024/06/30, Vol.37(2), pp.145-154 |
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