自律神経疾患の治療の進歩

「はじめに」近年, 神経疾患の分野において治療可能な疾患が徐々に増加し, それに伴い治療方法も大きな変革を遂げている. 従来, 神経疾患の治療は主に症状の緩和や改善を目指した経口製剤が中心であったが, 現在ではデバイス補助療法の利用も注目を集めている. Parkinson 病(Parkinson disease:PD)においては, 脳深部刺激療法(deep brain stimulation:DBS)やlevodopa・carbidopa経腸療法(levodopa-carbidopa intestinal gel:LCIG)といった治療法が代表的である. DBSは電気的な刺激を脳に与えるデバイ...

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Published in神経治療学 Vol. 41; no. 5; pp. 759 - 764
Main Author 中村, 友彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 2024
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ISSN0916-8443
2189-7824
DOI10.15082/jsnt.41.5_759

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Summary:「はじめに」近年, 神経疾患の分野において治療可能な疾患が徐々に増加し, それに伴い治療方法も大きな変革を遂げている. 従来, 神経疾患の治療は主に症状の緩和や改善を目指した経口製剤が中心であったが, 現在ではデバイス補助療法の利用も注目を集めている. Parkinson 病(Parkinson disease:PD)においては, 脳深部刺激療法(deep brain stimulation:DBS)やlevodopa・carbidopa経腸療法(levodopa-carbidopa intestinal gel:LCIG)といった治療法が代表的である. DBSは電気的な刺激を脳に与えるデバイス補助療法であり, LCIGは薬剤を効果的に持続的に投与するシステムである. これらの治療法は, 患者の症状をより効果的に管理し, 日常生活の機能を向上させることができる. また, 技術の進歩によりデバイスの小型化や精度の向上が進んでおり, 今後さらに多くの神経疾患に対してデバイス補助療法が適用されることが期待される. さらに, 最近の研究進展により, 疾患の原因物質そのものを標的とする新しい治療法も登場している.
ISSN:0916-8443
2189-7824
DOI:10.15082/jsnt.41.5_759