ストーマ造設患者におけるクリニカルパス逸脱の要因

【目的】クリニカルパス(Clinical Path、以下CP)適用となるストーマ造設患者におけるCP逸脱の要因を明らかにする。【方法】2019年1月から2022年3月にストーマ造設を伴う下部消化管手術でCPを適用した症例を対象に、CP逸脱の有無で2群に分け、その独立危険因子を多変量解析で抽出した。また同様の解析を、CPを7日以上逸脱した入院期間長期化の有無で2群に分けて行った。【結果】解析対象は78例で、年齢中央値68歳(範囲:24‐86)、男性51例(65.4%)であった。CP逸脱症例は62例(79.5%)で、その独立危険因子は、術後合併症あり、無職者、ストーマ装具からの便漏れの3項目であっ...

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Published in日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会誌 Vol. 39; no. 2; pp. 13 - 20
Main Authors 内田, 真太郎, 白石, 卓也, 長谷川, 陽香, 松井, 佐知子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会 2023
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ISSN1882-0115
2434-3056
DOI10.32158/jsscr.39.2_13

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Summary:【目的】クリニカルパス(Clinical Path、以下CP)適用となるストーマ造設患者におけるCP逸脱の要因を明らかにする。【方法】2019年1月から2022年3月にストーマ造設を伴う下部消化管手術でCPを適用した症例を対象に、CP逸脱の有無で2群に分け、その独立危険因子を多変量解析で抽出した。また同様の解析を、CPを7日以上逸脱した入院期間長期化の有無で2群に分けて行った。【結果】解析対象は78例で、年齢中央値68歳(範囲:24‐86)、男性51例(65.4%)であった。CP逸脱症例は62例(79.5%)で、その独立危険因子は、術後合併症あり、無職者、ストーマ装具からの便漏れの3項目であった。入院期間長期化症例は24例(30.8%)で、その独立危険因子は、開腹手術、術後合併症あり、ストーマ合併症あり、ストーマ装具からの便漏れの4項目であった。【結論】入院期間短縮のためには、術後合併症発生に注意し、ストーマ合併症やストーマ装具からの便漏れに配慮したストーマケアの指導が重要と思われる。また当院のCP逸脱症例の割合は高く、設定期間を含めたCP自体の見直しによる改善の必要性が示唆された。
ISSN:1882-0115
2434-3056
DOI:10.32158/jsscr.39.2_13