十二指腸憩室出血に対して内視鏡的に止血し得た1例

• Published in: Progress of Digestive Endoscopy Vol. 81; no. 2; pp. 116 - 117
• Main Authors: 中村, 仁美, 宇野, 昭毅, 徳弘, 直紀, 富田, 崇志, 松村, 寛, 森山, 光彦, 水野, 滋章, 川島, 志布子, 佐藤, 秀樹, 馬嶋, 恒博, 原澤, 尚登
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 07.12.2012; 日本消化器内視鏡学会関東支部会
• Subjects: 十二指腸憩室出血; 透明フード
• ISSN: 1348-9844; 2187-4999
• DOI: 10.11641/pde.81.2_116

「はじめに」 今回我々は, 透明フード装着による内視鏡的止血術が有効であった十二指腸憩室出血の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」 患者:78歳, 男性. 主訴:胸痛. 既往歴:高血圧症, 脂質異常症. 現病歴:2011年10月に胸痛を主訴に前医を受診した. 血液検査, 心電図検査から急性心筋梗塞を疑われ, 当院救命救急センターへ転送された. 急性心筋梗塞に対して, 冠動脈バイパス術を施行し, 術後アスピリン100mg, ワルファリンカリウム3mgが内服開始となった. 経過中にタール便と高度貧血を認めたため, 当科で上部消化管内視鏡検査(EGD)を施行した. 入院時現症:身長155cm, 体重43kg, 意識清明. 血圧115/80mmHg, 脈拍110bpm, 体温35.8℃. 眼瞼結膜;貧血なし. 眼球結膜;黄染なし. 胸部;左前胸部痛. 胸部聴診;心雑音聴取せず. 腹部;平坦, 軟.