絨毛癌膵転移との鑑別を要した原発性膵癌の1例
「はじめに」 絨毛癌の発生率は女性10万に対し0.1を割っており, 非常に稀な疾患である. また30~34歳女性の膵癌の罹患率も10万に対し0.6と非常に稀である. 今回我々は, この両者を合併した症例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 32歳, 女性. 主訴 : なし. 既往歴 : 27歳 急性膵炎(胆石性膵炎), 胆嚢結石(胆嚢摘出術). 現病歴 : 2008年に当院婦人科で絨毛癌(脳転移, 肺転移)と診断され, 全身化学療法と脳転移に対しγナイフ治療施行し, 完全寛解となった. 以後外来で経過観察していたが, 2013年11月, 血中hCG-βの上昇を認めた. 画像上は再発,...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 86; no. 1; pp. 226 - 227 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
13.06.2015
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.86.1_226 |
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Summary: | 「はじめに」 絨毛癌の発生率は女性10万に対し0.1を割っており, 非常に稀な疾患である. また30~34歳女性の膵癌の罹患率も10万に対し0.6と非常に稀である. 今回我々は, この両者を合併した症例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 32歳, 女性. 主訴 : なし. 既往歴 : 27歳 急性膵炎(胆石性膵炎), 胆嚢結石(胆嚢摘出術). 現病歴 : 2008年に当院婦人科で絨毛癌(脳転移, 肺転移)と診断され, 全身化学療法と脳転移に対しγナイフ治療施行し, 完全寛解となった. 以後外来で経過観察していたが, 2013年11月, 血中hCG-βの上昇を認めた. 画像上は再発, 転移巣は不明であったが, 再発の可能性を疑い全身化学療法を再開した. 2014年4月のCTで膵腫瘤を指摘され, 当科紹介となった. 血液検査所見 : 腫瘍マーカーでhCG, hCG-βの上昇を認めた. 膵Dynamic CT : 膵体部に20×23mm大の境界不明瞭な乏血性の腫瘤性病変を認め, 尾側の主膵管拡張を認めた. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.86.1_226 |