特異な経過を呈した微小膵管内乳頭粘液性腫瘍の1例

「和文要旨」症例は31歳, 男性. 急性膵炎を繰り返すため当院入院. ERPでは乳頭に変化を認めず, 尾部膵管の 胞状拡張を認めた. 症状改善, 原因検索目的にて膵体尾部切除術施行. 病理所見では膵管拡張移行部に乳頭状に増殖する微小な病変を認め, 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と考えられた. 術後膵炎の再発を認めていない. 本例では粘液産出, 膵管拡張所見に乏しいものの, 膵炎発症の原因として微小なIPMNの関与が示唆された. 「はじめに」膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasms;IPMN)は通常多量の粘液分泌を認める膵腫瘍で好発...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 70; no. 2; pp. 120 - 121
Main Authors 青野, 茂昭, 眞方, 良彦, 佐藤, 仁哉, 村山, 道典, 長谷, 和生, 猛雄, 弘照, 小針, 伸一, 東納, 重隆, 徳永, 徹二, 白浜, 龍興, 花田, 健治, 中屋, 照雄, 箱崎, 幸也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2007
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.70.2_120

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Summary:「和文要旨」症例は31歳, 男性. 急性膵炎を繰り返すため当院入院. ERPでは乳頭に変化を認めず, 尾部膵管の 胞状拡張を認めた. 症状改善, 原因検索目的にて膵体尾部切除術施行. 病理所見では膵管拡張移行部に乳頭状に増殖する微小な病変を認め, 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と考えられた. 術後膵炎の再発を認めていない. 本例では粘液産出, 膵管拡張所見に乏しいものの, 膵炎発症の原因として微小なIPMNの関与が示唆された. 「はじめに」膵管内乳頭粘液性腫瘍(Intraductal Papillary Mucinous Neoplasms;IPMN)は通常多量の粘液分泌を認める膵腫瘍で好発年齢は中年以降とされ, 若年例の報告は比較的稀である. 今回, 若年発症し, 急性膵炎を繰り返したが粘液産出所見に乏しく, 原因診断に苦慮した微小なIPMNの1例を経験したので報告する.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.70.2_120