粘液の胆管内逆流により黄疸を来した膵管内乳頭粘液性腫瘍の1例

「はじめに」膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に伴う黄疸の機序として胆管穿破の報告は散見されるが, 解剖学的に正常な共通管を介した粘液の胆管内逆流が黄疸の成因に関与したと考えられる症例の報告はほとんどない. 今回経験した本例の機序は稀で貴重な症例と考え報告する. 「症例」患者は80歳, 男性. 「現病歴」: 当院入院8日前に腹痛を主訴に近医を受診した. 胆石胆嚢炎と診断されて入院となり, Percutaneous Transhepatic Gallbladder Drainage(PTGBD)を施行され腹痛は改善したが, その6日後に血清総ビリルビン, アミラーゼ, CRPが上昇し腹痛が再燃した...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 88; no. 1; pp. 184 - 185
Main Authors 高木, 英恵, 三原, 規奨, 杉浦, 仁, 相浦, 浩一, 井上, 健太郎, 市東, 昌也, 有泉, 健, 玉井, 博修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 11.06.2016
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.88.1_184

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Summary:「はじめに」膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に伴う黄疸の機序として胆管穿破の報告は散見されるが, 解剖学的に正常な共通管を介した粘液の胆管内逆流が黄疸の成因に関与したと考えられる症例の報告はほとんどない. 今回経験した本例の機序は稀で貴重な症例と考え報告する. 「症例」患者は80歳, 男性. 「現病歴」: 当院入院8日前に腹痛を主訴に近医を受診した. 胆石胆嚢炎と診断されて入院となり, Percutaneous Transhepatic Gallbladder Drainage(PTGBD)を施行され腹痛は改善したが, その6日後に血清総ビリルビン, アミラーゼ, CRPが上昇し腹痛が再燃した. 精査・加療目的に当院へ転院となった. 「血液検査所見」: WBC 11,310/μl, CRP 15.4mg/dl, T-bil 4.7mg/dl, AST 31IU/l, ALT 49IU/l, ALP 454IU/l, γ-GTP 255IU/l, Amylase 101IU/l, CEA 1.7ng/ml, CA19-9 10.8U/ml.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.88.1_184