超音波内視鏡検査にて豊富な血流が確認された漿液性囊胞腫瘍の1切除例
「はじめに」漿液性嚢胞腫瘍(Serous cystic neoplasm : SCN)は1978年にCompagnoらによって提唱された疾患概念であり, 膵外分泌腫瘍全体の1~2%と比較的稀である. 画像診断ではhoneycomb appearanceが重要とされるが, 嚢胞成分がみられない場合は術前診断が困難である. 今回我々は, 超音波内視鏡検査にて豊富な血流が確認され膵神経分泌腫瘍との鑑別に苦慮した, 嚢胞成分をほとんど含まないSCNの1例を経験したので報告する. 「症例」患者:65歳, 女性. 主訴:心窩部痛. 既往歴:高血圧症. 現病歴:胃腸炎症状を訴え近医を受診. 腹部超音波検査(...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 89; no. 1; pp. 158 - 159 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
16.12.2016
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
Subjects | |
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ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
DOI | 10.11641/pde.89.1_158 |
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Summary: | 「はじめに」漿液性嚢胞腫瘍(Serous cystic neoplasm : SCN)は1978年にCompagnoらによって提唱された疾患概念であり, 膵外分泌腫瘍全体の1~2%と比較的稀である. 画像診断ではhoneycomb appearanceが重要とされるが, 嚢胞成分がみられない場合は術前診断が困難である. 今回我々は, 超音波内視鏡検査にて豊富な血流が確認され膵神経分泌腫瘍との鑑別に苦慮した, 嚢胞成分をほとんど含まないSCNの1例を経験したので報告する. 「症例」患者:65歳, 女性. 主訴:心窩部痛. 既往歴:高血圧症. 現病歴:胃腸炎症状を訴え近医を受診. 腹部超音波検査(US)を施行したところ, 膵腫瘤を指摘されたため, 当院へ紹介となった. 初診時現症:腹部は平坦・軟で圧痛なし. 初診時血液検査所見:血算, 生化学, 腫瘍マーカーに異常なし. 腹部US:膵体部に21mm大の低エコー腫瘤を認めた. |
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ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
DOI: | 10.11641/pde.89.1_158 |