術後性上顎嚢胞に対する内視鏡下鼻内手術

術後性上顎嚢胞に対して, 内視鏡下鼻内開窓術を64例69側に施行した. 手術は全例局所麻酔下に下鼻道側壁あるいは下鼻道と中鼻道に開窓し, 嚢胞壁は全例保存した. 術後6ヵ月以上経過観察できた38例44側における開窓部の状態は36側 (81.8%) で広く開存していた. 本術式の適応を決めるために, 今回新たな嚢胞の部位別分類を試みた. 下鼻道中央部を通る軸位断CT像において, 嚢胞の内側壁が下鼻甲介付着部前端と翼状突起外側板分岐部を結ぶ直線の内側にあるか外側にあるかによって内側型と外側型に分類した. 開窓部の術後経過よりみて, 内側型が最も良い適応となり, 外側型でも後方型には適応となる例があ...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 98; no. 6; pp. 984 - 988,1075
Main Authors 木谷, 伸治, 中村, 光士郎, 湯本, 英二, 河北, 誠二, 佐藤, 英光, 相原, 隆一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.06.1995
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.98.984

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Summary:術後性上顎嚢胞に対して, 内視鏡下鼻内開窓術を64例69側に施行した. 手術は全例局所麻酔下に下鼻道側壁あるいは下鼻道と中鼻道に開窓し, 嚢胞壁は全例保存した. 術後6ヵ月以上経過観察できた38例44側における開窓部の状態は36側 (81.8%) で広く開存していた. 本術式の適応を決めるために, 今回新たな嚢胞の部位別分類を試みた. 下鼻道中央部を通る軸位断CT像において, 嚢胞の内側壁が下鼻甲介付着部前端と翼状突起外側板分岐部を結ぶ直線の内側にあるか外側にあるかによって内側型と外側型に分類した. 開窓部の術後経過よりみて, 内側型が最も良い適応となり, 外側型でも後方型には適応となる例があるが, 外側前方型では適応とならない.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.98.984