唾液腺多形腺腫における細胞内骨格蛋白と細胞外基質成分の局在に関する免疫組織化学的検討

多形腺腫を特徴づけている組織多様性の中での腫瘍細胞群とそれに介在する細胞外基質の関連性を検討する目的で免疫組織化学的検索を行った. その結果, 細胞内骨格蛋白としてケラチン (AE1) は内層細胞や扁平上皮様細胞に, α-平滑筋アクチン (1A4) は紡錘形細胞や平滑筋様細胞に陽性でそれぞれ導管上皮細胞・筋上皮細胞への分化を示し, ビメンチン (V9) は主として立方状細胞に陽性で脱分化状態を示唆する所見と考えられた. また, 細胞外基質成分としてIV型コラーゲン・ラミニン・フィプロネクチンはV9, 1A4が陽性の細胞周囲に局在しこれらの細胞は細胞外側に存在する基底膜成分を含む細胞外基質の産生...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 5; pp. 780 - 786_4,873
Main Authors 浅野, 伍朗, 平野, 敏一, 小口, 直彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.05.1993
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.96.780

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Summary:多形腺腫を特徴づけている組織多様性の中での腫瘍細胞群とそれに介在する細胞外基質の関連性を検討する目的で免疫組織化学的検索を行った. その結果, 細胞内骨格蛋白としてケラチン (AE1) は内層細胞や扁平上皮様細胞に, α-平滑筋アクチン (1A4) は紡錘形細胞や平滑筋様細胞に陽性でそれぞれ導管上皮細胞・筋上皮細胞への分化を示し, ビメンチン (V9) は主として立方状細胞に陽性で脱分化状態を示唆する所見と考えられた. また, 細胞外基質成分としてIV型コラーゲン・ラミニン・フィプロネクチンはV9, 1A4が陽性の細胞周囲に局在しこれらの細胞は細胞外側に存在する基底膜成分を含む細胞外基質の産生に関与している可能性が考えられた.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.780