骨量ファントムを用いた内耳道壁の骨塩量の測定
正常成人20名 (40耳) の内耳CTに骨量ファントムを併用することにより, 内耳道壁の炭酸カルシウム相当量の部位的相違について検討した. 炭酸カルシウム相当量は高い順に内耳道底後壁, 内耳道底前壁, 前庭骨部, 乳突洞外壁, 内耳道孔後壁, 内耳道孔前壁であった. 部位別の左右差はなかったが, 内耳道孔は内耳道底にくらべて前壁, 後壁とも有意に炭酸カルシウム相当量が少なかった. 一般に骨硬度はカルシウム含有量と相関するので, 内耳道孔の骨硬度は内耳道底のそれよりも低いことが示唆され, このことは聴神経腫瘍における内耳道拡大の現象を説明する一要因であると考えられた....
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 96; no. 4; pp. 609 - 616,733 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
20.04.1993
日本耳鼻咽喉科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0030-6622 1883-0854 |
DOI | 10.3950/jibiinkoka.96.609 |
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Summary: | 正常成人20名 (40耳) の内耳CTに骨量ファントムを併用することにより, 内耳道壁の炭酸カルシウム相当量の部位的相違について検討した. 炭酸カルシウム相当量は高い順に内耳道底後壁, 内耳道底前壁, 前庭骨部, 乳突洞外壁, 内耳道孔後壁, 内耳道孔前壁であった. 部位別の左右差はなかったが, 内耳道孔は内耳道底にくらべて前壁, 後壁とも有意に炭酸カルシウム相当量が少なかった. 一般に骨硬度はカルシウム含有量と相関するので, 内耳道孔の骨硬度は内耳道底のそれよりも低いことが示唆され, このことは聴神経腫瘍における内耳道拡大の現象を説明する一要因であると考えられた. |
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ISSN: | 0030-6622 1883-0854 |
DOI: | 10.3950/jibiinkoka.96.609 |