逆流性食道炎治療中に発生した食道胃接合部癌の1例

「はじめに」 食道胃接合部(EGJ)より口側に伸びた円柱上皮をBarrett粘膜と呼び, これを母体に発生するのがBarrett癌である. しかし, 内視鏡的にも病理学的にも診断することが困難な場合もある. 我々は, 逆流性食道炎治療中に腺癌を診断し腹腔鏡下に切除したが, 確定診断が困難な症例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 70歳, 女性. 主訴 : 胸やけ. 既往歴 : 逆流性食道炎, 脳梗塞. 現病歴 : 57歳, 逆流性食道炎にてproton-pump-inhibitor(PPI)を内服し軽快することがあった. 65歳よりめまいを主訴とする脳梗塞でバイアスピリンの内服を開始...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 85; no. 1; pp. 84 - 85
Main Authors 喜島, 博章, 多賀谷, 信美, 竹束, 正二郎, 杉原, 志朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 06.12.2014
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.85.1_84

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Summary:「はじめに」 食道胃接合部(EGJ)より口側に伸びた円柱上皮をBarrett粘膜と呼び, これを母体に発生するのがBarrett癌である. しかし, 内視鏡的にも病理学的にも診断することが困難な場合もある. 我々は, 逆流性食道炎治療中に腺癌を診断し腹腔鏡下に切除したが, 確定診断が困難な症例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 70歳, 女性. 主訴 : 胸やけ. 既往歴 : 逆流性食道炎, 脳梗塞. 現病歴 : 57歳, 逆流性食道炎にてproton-pump-inhibitor(PPI)を内服し軽快することがあった. 65歳よりめまいを主訴とする脳梗塞でバイアスピリンの内服を開始したが, 68歳には胸やけが増悪し再びPPIを内服した. 上部消化管内視鏡で経過を見ていたが, 手術7カ月前の内視鏡検査でEGJにSMT様の厚みを持つIs様病変が見られたが, 生検にてGroup2であった. 2カ月前の内視鏡検査では病変の増大が見られ, 生検でもGroup4となり癌が強く疑われ, 手術のため入院した.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.85.1_84