進行肝細胞癌を合併したためESDを施行した胃SM深部浸潤癌の1例

症例は74歳の男性。C型肝硬変として経過観察中に肝細胞癌と胃癌の重複癌が発見された。肝硬変はChild-Pugh分類がgrade Aであったが,肝内転移が認められるためTAE,TAIを施行した。胃癌はEUSにてSM深部浸潤癌と診断したが,肝癌が予後を規定すると判断し,外科的切除は行わなかった。筋層と腫瘍の間にはSM層がわずかに認められたため,ESDを施行して断端陰性で切除することができた。外科的切除術が不能な合併症を有する胃癌症例では,SM2まで浸潤していてもESDが治療の選択肢となり得ると考えられた。...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 70; no. 2; pp. 90 - 91
Main Authors 新井, 晋, 中村, 有香, 小池, 雅美, 藤盛, 健二, 齊藤, 詠子, 稲生, 実枝, 今井, 幸紀, 中島, さやか, 濱岡, 和宏, 水野, 芳枝, 持田, 智, 石川, 惠子, 安藤, さつき, 吉野, 廉子, 名越, 澄子, 伴, 慎一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2007
日本消化器内視鏡学会関東支部会
Subjects
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.70.2_90

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Summary:症例は74歳の男性。C型肝硬変として経過観察中に肝細胞癌と胃癌の重複癌が発見された。肝硬変はChild-Pugh分類がgrade Aであったが,肝内転移が認められるためTAE,TAIを施行した。胃癌はEUSにてSM深部浸潤癌と診断したが,肝癌が予後を規定すると判断し,外科的切除は行わなかった。筋層と腫瘍の間にはSM層がわずかに認められたため,ESDを施行して断端陰性で切除することができた。外科的切除術が不能な合併症を有する胃癌症例では,SM2まで浸潤していてもESDが治療の選択肢となり得ると考えられた。
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.70.2_90