吐血を契機に診断された鳥肌胃炎合併若年者進行胃癌の1例

「和文要旨」29歳男性. 主訴, 吐血. 上部消化管内視鏡検査で胃体下部大彎にIIc+III型類似進行胃癌を認め, 潰瘍底に露出血管を伴っていたため止血術を施行した. 前庭部は鳥肌胃炎を呈していた. 生検の結果, 低分化型腺癌であったため幽門側胃切除術を施行した. 近年, 鳥肌胃炎を合併した若年者胃癌との関連が注目されている. 有症状の若年男性の場合, 消化性潰瘍のみならず本症も念頭に入れた内視鏡検査が重要であると考えられた. 「はじめに」近年鳥肌胃炎は未分化型胃癌のリスク群であることが指摘されている1). 今回, 我々は吐血を契機に診断, 治療された鳥肌胃炎合併若年者進行胃癌の1例を経験した...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 74; no. 2; pp. 42 - 43
Main Authors 益岡, 晋也, 安倍, 久子, 横田, 崇, 荻原, 章史, 竜崎, 仁美, 山田, 勝久, 森山, 光彦, 大山, 恭平, 太田, 壮一郎, 小林, 駿, 西山, 竜, 伊藤, 潔, 中島, 典子, 宇野, 昭毅, 田中, 直英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部 2009
日本消化器内視鏡学会関東支部会
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ISSN1348-9844
2187-4999
DOI10.11641/pde.74.2_42

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Summary:「和文要旨」29歳男性. 主訴, 吐血. 上部消化管内視鏡検査で胃体下部大彎にIIc+III型類似進行胃癌を認め, 潰瘍底に露出血管を伴っていたため止血術を施行した. 前庭部は鳥肌胃炎を呈していた. 生検の結果, 低分化型腺癌であったため幽門側胃切除術を施行した. 近年, 鳥肌胃炎を合併した若年者胃癌との関連が注目されている. 有症状の若年男性の場合, 消化性潰瘍のみならず本症も念頭に入れた内視鏡検査が重要であると考えられた. 「はじめに」近年鳥肌胃炎は未分化型胃癌のリスク群であることが指摘されている1). 今回, 我々は吐血を契機に診断, 治療された鳥肌胃炎合併若年者進行胃癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者:29歳, 男性. 主訴:吐血. 家族歴・既往歴:特記事項なし. 嗜好歴:喫煙歴, 20本/日×10年. 飲酒歴, ビール1缶/日×10年. 現病歴:平成19年10月中旬より心窩部不快感, タール便を自覚. 23日に吐血したため, 当院受診. 緊急上部消化管内視鏡検査(GIF)を施行し, 体下部大彎にIIc+III型類似の進行胃癌を疑う病変を認め, 潰瘍底に露出血管を伴っていたため, 高張ナトリウム・エピネフリン(HSE)局注法による止血術を施行後入院となった. 入院時現症:眼瞼結膜に軽度貧血を認めた他は特に異常なし. 入院時血液検査:BUNとCreatininの解離, 軽度の貧血を認めた.
ISSN:1348-9844
2187-4999
DOI:10.11641/pde.74.2_42