胃癌M癌リンパ節転移陽性例の検討
近年,早期胃癌に対する内視鏡的切除や腹腔鏡下手術などの縮小手術の多様化が進んでいるが,一方で縮小手術における根治性も重要である。本報告ではリンパ節転移頻度の低い胃癌M癌の術前リンパ節転移危険因子について検討した。またセンチネルリンパ節生検による術中転移リンパ節検出の有用性を示した。【対象】1992年1月~2001年12月までに当院にてリンパ節郭清を伴う胃切除術を施行し病理組織学的にM癌と診断された476例を対象に術前リンパ節転移危険因子を臨床病理学的に検討した。センチネルリンパ節生検は40例に行った。【結果】M癌リンパ節転移例は10例(2.1%)であった。肉眼病型は全例が陥凹型であり,占拠部位...
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| Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 63; no. 2; pp. 41 - 45 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
2003
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI | 10.11641/pde.63.2_41 |
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| Summary: | 近年,早期胃癌に対する内視鏡的切除や腹腔鏡下手術などの縮小手術の多様化が進んでいるが,一方で縮小手術における根治性も重要である。本報告ではリンパ節転移頻度の低い胃癌M癌の術前リンパ節転移危険因子について検討した。またセンチネルリンパ節生検による術中転移リンパ節検出の有用性を示した。【対象】1992年1月~2001年12月までに当院にてリンパ節郭清を伴う胃切除術を施行し病理組織学的にM癌と診断された476例を対象に術前リンパ節転移危険因子を臨床病理学的に検討した。センチネルリンパ節生検は40例に行った。【結果】M癌リンパ節転移例は10例(2.1%)であった。肉眼病型は全例が陥凹型であり,占拠部位はいずれもMもしくはL領域であった。平均腫瘍径は41.3mmであった。組織型は分化型2例,未分化型7例,scc1例であった。転移状況は,n1 : 7例,n2 : 3例であった。潰瘍瘢痕の有無と転移出現率では,ul(+) : 5.3%,ul(-) : 1.5%で,組織型を組み合わせると未分化型ul(+)で最も転移出現率が高かった。センチネルリンパ節生検を併用した術中リンパ節転移検出では,リンパ節転移をみたM癌症例は現在までに40例中1例のみで,1・2群ともに転移が認められた。【結論】胃癌M癌における術前リンパ節転移危険因子の検討を加えた。また術中のセンチネルリンパ節生検が有用であると考えた。 |
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| ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI: | 10.11641/pde.63.2_41 |