長期間にわたり頻回に形状変化した解離性後大脳動脈瘤の1例

長期間にわたり頻回に形状変化した解離性後大脳動脈瘤の症例を経験した.症例は53歳,男性.右後大脳動脈の未破裂解離性後大脳動脈瘤と臨床的に診断し経過をみていたが,9年後に形状変化したためLVIS Jr.を使用したステント留置術を行った.治療後の経過観察中に新たな部位で形状変化をきたした.コイル塞栓術とLVIS Jr.を重ねることで良好な転帰を得ることができた.解離性後大脳動脈瘤で長期にわたって頻回に経時的変化を起こす報告は他には見当たらない.長期的なフォローが望ましいが,その明確な基準はない.解離性後大脳動脈瘤の治療法については今後症例を重ねてさらに検討していく必要がある....

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Bibliographic Details
Published in脳卒中の外科 Vol. 53; no. 1; pp. 48 - 53
Main Authors 山口, 厳史, 松本, 浩明, 佐藤, 悠貴, 長坂, 卓也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2025
日本脳卒中の外科学会
Subjects
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.53.48

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Summary:長期間にわたり頻回に形状変化した解離性後大脳動脈瘤の症例を経験した.症例は53歳,男性.右後大脳動脈の未破裂解離性後大脳動脈瘤と臨床的に診断し経過をみていたが,9年後に形状変化したためLVIS Jr.を使用したステント留置術を行った.治療後の経過観察中に新たな部位で形状変化をきたした.コイル塞栓術とLVIS Jr.を重ねることで良好な転帰を得ることができた.解離性後大脳動脈瘤で長期にわたって頻回に経時的変化を起こす報告は他には見当たらない.長期的なフォローが望ましいが,その明確な基準はない.解離性後大脳動脈瘤の治療法については今後症例を重ねてさらに検討していく必要がある.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.53.48