ニボルマブの免疫関連副作用によりびまん性胃炎を発症した一例
「序文」 免疫チェックポイント阻害薬投与後はさまざまな免疫関連副作用(immune-related adverse events : irAE)が生じうるが上部消化管病変の報告は稀である. 今回, ニボルマブ投与後びまん性胃炎を来した一例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 59歳, 男性. 主訴 : 食欲不振. 既往歴 : 特記事項なし. 家族歴, アレルギー歴 : 特記事項なし. 現病歴 : X年7月より右胸背部痛, 乾性咳嗽が出現し当院受診. CTにて右胸水貯留, 胸膜肥厚を認め, CTガイド下生検による胸膜組織診にて悪性胸膜中皮腫と診断. X+1年1月よりシスプラチン, ペメト...
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| Published in | Progress of Digestive Endoscopy Vol. 98; no. 1; pp. 91 - 92 |
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| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
25.06.2021
日本消化器内視鏡学会関東支部会 |
| Subjects | |
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| ISSN | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI | 10.11641/pde.98.1_91 |
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| Summary: | 「序文」 免疫チェックポイント阻害薬投与後はさまざまな免疫関連副作用(immune-related adverse events : irAE)が生じうるが上部消化管病変の報告は稀である. 今回, ニボルマブ投与後びまん性胃炎を来した一例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 59歳, 男性. 主訴 : 食欲不振. 既往歴 : 特記事項なし. 家族歴, アレルギー歴 : 特記事項なし. 現病歴 : X年7月より右胸背部痛, 乾性咳嗽が出現し当院受診. CTにて右胸水貯留, 胸膜肥厚を認め, CTガイド下生検による胸膜組織診にて悪性胸膜中皮腫と診断. X+1年1月よりシスプラチン, ペメトレキセドの投与を開始したが1コース終了後にprogressive disease(PD)と判断した. 同年3月よりニボルマブの投与を開始し3コース投与後, Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE)version 4.0 grade 1相当の甲状腺中毒症を認めたが, 11週の休薬にて改善後に再開, 計8コースを投与したが, PDと判断した. |
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| ISSN: | 1348-9844 2187-4999 |
| DOI: | 10.11641/pde.98.1_91 |