繰り返す右心不全で発症し,強力な免疫治療でクリーゼを脱した抗MuSK抗体陽性重症筋無力症の1例

右心不全を繰り返し,最終的にCO2ナルコーシスとなり,人工呼吸器装着に至った45歳女性.顔面や四肢の筋無力症状は認めず,反復刺激誘発筋電図でwaningなく,筋力低下がないためエドロホニウムテストも評価困難であり,抗MuSK抗体陽性のみで重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MGと略記)と診断した.選択的血漿交換が奏功せず,大量免疫グロブリン療法,タクロリムス,プレドニゾロン内服免疫治療を追加した.その後,症状軽快したものの,呼吸器離脱に至らず,単純血漿交換を更に追加して約5か月で完全離脱した.再発性右心不全というMGとして稀な初発症状であった点,および,抗MuSK抗体陽性だけ...

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Published in臨床神経学 Vol. 60; no. 11; pp. 791 - 794
Main Authors 島, 啓介, 山口, 和由, 清水, 愛, 松本, 泰子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2020
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.cn-001475

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Summary:右心不全を繰り返し,最終的にCO2ナルコーシスとなり,人工呼吸器装着に至った45歳女性.顔面や四肢の筋無力症状は認めず,反復刺激誘発筋電図でwaningなく,筋力低下がないためエドロホニウムテストも評価困難であり,抗MuSK抗体陽性のみで重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MGと略記)と診断した.選択的血漿交換が奏功せず,大量免疫グロブリン療法,タクロリムス,プレドニゾロン内服免疫治療を追加した.その後,症状軽快したものの,呼吸器離脱に至らず,単純血漿交換を更に追加して約5か月で完全離脱した.再発性右心不全というMGとして稀な初発症状であった点,および,抗MuSK抗体陽性だけが診断根拠であった点が,MG診断に示唆に富むと考えた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.cn-001475