在宅の摂食・嚥下障害者をもつ主介護者に対する教育効果

本研究の目的は,在宅の摂食・嚥下障害者の主介護者に摂食・嚥下リハビリテーションを目的とした教育を実施した結果,主介護者の摂食・嚥下に関する知識・技術が向上するかどうかとした.研究方法は,滋賀県内2訪問看護ステーションで介護度2以上の178名を対象に摂食・嚥下障害者を抽出し,インフォームドコンセントが得られた利用者の主介護者を無作為に割つけた(教育群14,対照群13).教育群に摂食・嚥下障害の介護方法を4ヶ月間教育した.対照群は観察のみとした.評価項目は摂食・嚥下障害者に摂食・嚥下機能症状,Barthel Index,SpO2とし,主介護者には摂食・嚥下障害に関する知識とした.その結果,教育前後...

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Published in日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 19 - 27
Main Author 松田, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 30.06.2003
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
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ISSN1343-8441
2434-2254
DOI10.32136/jsdr.7.1_19

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Summary:本研究の目的は,在宅の摂食・嚥下障害者の主介護者に摂食・嚥下リハビリテーションを目的とした教育を実施した結果,主介護者の摂食・嚥下に関する知識・技術が向上するかどうかとした.研究方法は,滋賀県内2訪問看護ステーションで介護度2以上の178名を対象に摂食・嚥下障害者を抽出し,インフォームドコンセントが得られた利用者の主介護者を無作為に割つけた(教育群14,対照群13).教育群に摂食・嚥下障害の介護方法を4ヶ月間教育した.対照群は観察のみとした.評価項目は摂食・嚥下障害者に摂食・嚥下機能症状,Barthel Index,SpO2とし,主介護者には摂食・嚥下障害に関する知識とした.その結果,教育前後の主介護者の知識14項目のうち11項目(「大きな声を出す」,「顔のマッサージをする」,「首を動かす」,「歯磨きをする」,「身体を動かす」,「嚥下機能の維持」,「肺炎予防」,「脱水」,「低栄養」,「肺炎」,「窒息」)が有意に増加した (P<0.005).このことから,在宅における摂食・嚥下障害者の介護者に対する知識の提供が有意義であることが判明した.そのため,在宅療養の早期に主介護者に対して摂食・嚥下機能に関する具体的な介護方法を教育していく必要があると考える.
ISSN:1343-8441
2434-2254
DOI:10.32136/jsdr.7.1_19