浅い富栄養化河川水質シミュレーションモデル

浅い富栄養化河川においては, 河床付着性藻類の呼吸により, 夜間, 水質の悪化が観測される.このような河川の水質 (SS, DOC, DO, 全無機態窒素, リン酸態リン濃度) をシミュレーションするモデルを作成した.これは, 河床付着性生物の増殖, 呼吸, 堆積物の増加と水質の関係をモデル化したものである.ここで, 河床付着生物と堆積物は降雨の際洗い流され, その後, 増殖や蓄積を繰り返すとしている.本モデルを用い, 多摩川の支流である野川の水質シミュレーションを行ったが, 計算値は実測値とよい一致を見た.また, このモデルを用い, 野川の水質改善策について検討を加えたが, 流入する栄養塩の...

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Published in化学工学論文集 Vol. 10; no. 4; pp. 475 - 482
Main Authors 鈴木, 基之, 川島, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 化学工学会 1984
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ISSN0386-216X
1349-9203
DOI10.1252/kakoronbunshu.10.475

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Summary:浅い富栄養化河川においては, 河床付着性藻類の呼吸により, 夜間, 水質の悪化が観測される.このような河川の水質 (SS, DOC, DO, 全無機態窒素, リン酸態リン濃度) をシミュレーションするモデルを作成した.これは, 河床付着性生物の増殖, 呼吸, 堆積物の増加と水質の関係をモデル化したものである.ここで, 河床付着生物と堆積物は降雨の際洗い流され, その後, 増殖や蓄積を繰り返すとしている.本モデルを用い, 多摩川の支流である野川の水質シミュレーションを行ったが, 計算値は実測値とよい一致を見た.また, このモデルを用い, 野川の水質改善策について検討を加えたが, 流入する栄養塩の量を減少させることが, 雨後10日ほど経た夜間においても, 良好な水質を得るためには, 必要であることが明らかになった.
ISSN:0386-216X
1349-9203
DOI:10.1252/kakoronbunshu.10.475