各種抗グロブリン因子の特異性に関する研究
ヒト血清中の抗グロブリン因子はGrubb1)によって, 同種γ-グロブリンによって中和されるもの(リウマトイド型)と中和されないもの(非リウマトイド型)とに大別された. その後, Milgrom2);Osterlandら3);Harboeら4);Williams & Kunkel5);Natvig6)によりさらに詳しい分類ないし性格づけがなされた, それらは主としてヒトγ-グロブリンまたはその分屑による中和試験と, 同種ならびに異種由来の抗体によって感作された抗原(たとえば赤血球)に対する反応のパターンとをよりどころにしている. われわれは, 抗D感作血球凝集反応によりscreenin...
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| Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 21; no. 4-6; pp. 81 - 88 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
1975
日本輸血学会 |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0546-1448 1883-8383 |
| DOI | 10.3925/jjtc1958.21.81 |
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| Summary: | ヒト血清中の抗グロブリン因子はGrubb1)によって, 同種γ-グロブリンによって中和されるもの(リウマトイド型)と中和されないもの(非リウマトイド型)とに大別された. その後, Milgrom2);Osterlandら3);Harboeら4);Williams & Kunkel5);Natvig6)によりさらに詳しい分類ないし性格づけがなされた, それらは主としてヒトγ-グロブリンまたはその分屑による中和試験と, 同種ならびに異種由来の抗体によって感作された抗原(たとえば赤血球)に対する反応のパターンとをよりどころにしている. われわれは, 抗D感作血球凝集反応によりscreeningをおこなって検出された各種の抗グロブリン因子について, その特異性を検討し, 先人の報告にない, 同種γ-グロブリンによって中和されず, しかも異種由来の抗体と交差反応を示す因子の存在を認め, また同一人の血清中に共存している特異性を異にした種種の抗グロブリン因子の識別についても多少の知見を得たので, ここに報告する. この研究の前半は, 著者の一人がボストンのBlood Grouping Laboratory(以後:BGLと略)に留学中に行なわれたものであり, その後も試薬の入手などについては同研究所の協力を得たところが少なくない. なお, この研究の一部は, 昭和39年第8回日本リウマチ学会総会のシンポジウム7)および昭和40年第13回日本輸血学会総会8)において口演発表された. |
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| ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
| DOI: | 10.3925/jjtc1958.21.81 |