皮膚生検により皮膚動脈炎による下肢多発性単ニューロパチーと診断し得た1例
症例は55歳男性,主訴は左下肢疼痛.2012年頃左下肢に紫斑が出現.2013年頃左ふくらはぎの疼痛,2014年頃足底・母趾にしびれが出現.両下肢に網状皮疹,両側脛骨神経,左浅腓骨神経,腓腹神経の多発性単ニューロパチーを認めた.ANCA陰性,神経伝導検査は両側腓骨・腓腹神経,左脛骨神経の振幅低下あり.皮膚生検で皮下脂肪織内小動脈壁への炎症細胞浸潤あり,皮膚動脈炎(cutaneous arteritis; CA)と診断した.抗凝固療法,ステロイド療法,シクロフォスファミドパルス療法を行い,運動・感覚症状は改善した.下肢多発性単ニューロパチーを呈する患者の診察では,下肢の皮膚所見を入念に確認し,CA...
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Published in | 臨床神経学 Vol. 57; no. 6; pp. 307 - 310 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2017
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Subjects | |
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ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.cn-001013 |
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Summary: | 症例は55歳男性,主訴は左下肢疼痛.2012年頃左下肢に紫斑が出現.2013年頃左ふくらはぎの疼痛,2014年頃足底・母趾にしびれが出現.両下肢に網状皮疹,両側脛骨神経,左浅腓骨神経,腓腹神経の多発性単ニューロパチーを認めた.ANCA陰性,神経伝導検査は両側腓骨・腓腹神経,左脛骨神経の振幅低下あり.皮膚生検で皮下脂肪織内小動脈壁への炎症細胞浸潤あり,皮膚動脈炎(cutaneous arteritis; CA)と診断した.抗凝固療法,ステロイド療法,シクロフォスファミドパルス療法を行い,運動・感覚症状は改善した.下肢多発性単ニューロパチーを呈する患者の診察では,下肢の皮膚所見を入念に確認し,CAを念頭に皮膚生検を考慮することが重要である. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.cn-001013 |