脳血管障害片麻痺者における一側下肢最大荷重量の測定

脳血管障害片麻痺者16名(年齢69.4±7.5歳)を対象として,健側・患側の最大荷重量の再現性について検討した.最大荷重量の測定には2台の市販用体重計を用い,片側へ最大荷重させた際の重量を求めた.測定は5回行い,それを2日間実施した.そして,その検者内再現性について検討した.最大荷重量を体重で除した値を最大荷重率とし,最大荷重率とFunctional reach test(FRT),下肢Brunnstrom stage(以下,Br.Stage ),膝伸展筋力,10m歩行時間の関係について検討した.最大荷重量は2回の測定値の最良値を採用した場合,健側,患側ともに級内相関係数は0.98であり,それ...

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Published in高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 12; pp. 25 - 27
Main Authors 山﨑, 裕司, 松村, 文雄, 川渕, 正敬, 西森, 知佐
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院 31.03.2011
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ISSN1345-5648
2433-4553
DOI10.15028/kochireha.12.0_25

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Summary:脳血管障害片麻痺者16名(年齢69.4±7.5歳)を対象として,健側・患側の最大荷重量の再現性について検討した.最大荷重量の測定には2台の市販用体重計を用い,片側へ最大荷重させた際の重量を求めた.測定は5回行い,それを2日間実施した.そして,その検者内再現性について検討した.最大荷重量を体重で除した値を最大荷重率とし,最大荷重率とFunctional reach test(FRT),下肢Brunnstrom stage(以下,Br.Stage ),膝伸展筋力,10m歩行時間の関係について検討した.最大荷重量は2回の測定値の最良値を採用した場合,健側,患側ともに級内相関係数は0.98であり,それ以上測定回数を増加させても再現性に変化は無かった.健側最大荷重率は健側膝伸展筋力,FRTの間に,それぞれr=0.55,0.69の有意な相関を認めた.患側最大荷重率はFRT,Br.Stage,患側膝伸展筋力,歩行時間との間に,それぞれr=0.94,0.69,0.74,-0.76の有意な相関を認めた.片麻痺者における最大荷重量は優れた検者内再現性を備えていた.患側最大荷重率は患側下肢機能と動的な立位バランスの指標として利用可能なものと考えられた.
ISSN:1345-5648
2433-4553
DOI:10.15028/kochireha.12.0_25