肺動脈弁狭窄症の犬に対する2次元エコー法ならびにパルスドプラ法を用いた心臓エコー検査による右室機能の評価

犬の肺動弁狭窄症(PVS) の評価には心エコー検査が通常用いられている。PVSでは右室機能不全がしばしば認められる。しかしPVS犬の心エコーによる右室機能評価の有用性は十分に検討されていない。本研究の目的は7頭のPVS犬と正常ビーグル犬10頭を比較し,断層心エコー法とパルスドプラ心エコー法を用いて右室機能評価に対する心エコー指標の有用性を検討することである。正常犬と比較してPVS犬はeccentricity index (p < 0.05) が有意に高値に, tricuspid annular plane systolic excursion (p < 0.05) が有意に低値に,...

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Published in動物臨床医学 Vol. 29; no. 3; pp. 108 - 113
Main Authors 町田, 登, 吉行, 里依子, 福島, 隆治, 田中, 綾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 動物臨床医学会 25.09.2020
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ISSN1344-6991
1881-1574
DOI10.11252/dobutsurinshoigaku.29.108

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Summary:犬の肺動弁狭窄症(PVS) の評価には心エコー検査が通常用いられている。PVSでは右室機能不全がしばしば認められる。しかしPVS犬の心エコーによる右室機能評価の有用性は十分に検討されていない。本研究の目的は7頭のPVS犬と正常ビーグル犬10頭を比較し,断層心エコー法とパルスドプラ心エコー法を用いて右室機能評価に対する心エコー指標の有用性を検討することである。正常犬と比較してPVS犬はeccentricity index (p < 0.05) が有意に高値に, tricuspid annular plane systolic excursion (p < 0.05) が有意に低値に,パルスドプラ心エコー法で算出した右室E/Aが (p < 0.05) 有意に低値に,拡張期の肺動脈/大動脈比(PA/Ao) (p < 0.05)が有意に高値を示した。本研究よりPVSと心エコー法による右室機能指標には関連性があるものと考えられた。心エコー法はPVS犬の非侵襲的な心機能評価として有用である。
ISSN:1344-6991
1881-1574
DOI:10.11252/dobutsurinshoigaku.29.108