運動失調症およびパーキンソニスムにおける起立時動揺に関する検討

脊髄小脳変性症およびパーキンソン病における起立動作時の前後方向の動揺の分析を行った.この動揺は起立動作開始後,後方へ移ってそこから安定した立位時のbase lineを越えて前方へ至り,動揺を繰り返したあと比較的安定した立位の状態になるパターンをとる.脊髄小脳変性症での動揺パターンは起立動作の時間に著明な遅延はないが,起立直後に大きな振幅の動揺が長く続くのが特徴であり,パーキンソン病の動揺パターンは起立動作に要する時間が延長し,起立直後に小さな動揺をつくることもあるがすみやかに安定した状態になるのが特徴であった.このような特徴ある動揺パターンは疾患の鑑別や症候の定量化に有益である....

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Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 22; no. 4; pp. 221 - 223
Main Authors 高柳, 哲也, 真野, 行生, 榊原, 敏正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本リハビリテーション医学会 1985
日本リハビリテーション医学会
Subjects
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ISSN0034-351X
1880-778X
DOI10.2490/jjrm1963.22.221

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Summary:脊髄小脳変性症およびパーキンソン病における起立動作時の前後方向の動揺の分析を行った.この動揺は起立動作開始後,後方へ移ってそこから安定した立位時のbase lineを越えて前方へ至り,動揺を繰り返したあと比較的安定した立位の状態になるパターンをとる.脊髄小脳変性症での動揺パターンは起立動作の時間に著明な遅延はないが,起立直後に大きな振幅の動揺が長く続くのが特徴であり,パーキンソン病の動揺パターンは起立動作に要する時間が延長し,起立直後に小さな動揺をつくることもあるがすみやかに安定した状態になるのが特徴であった.このような特徴ある動揺パターンは疾患の鑑別や症候の定量化に有益である.
ISSN:0034-351X
1880-778X
DOI:10.2490/jjrm1963.22.221