腱板断裂を伴う外傷性三角筋断裂を生じた一例

我々は外傷性三角筋断裂と腱板断裂を合併した1例を経験した. 症例, 69歳, 女性, 職業: 農業. 現病歴, 1987年頃より両側の肩関節痛とこれに伴う運動制限が出現し, 近医で局麻剤と steroid の注射を肩甲上腕関節および肩峰下滑液包に数回受けていた. 局注後は両側とも160度外転可能であった. 1991年10月すべって左肩を木壁で打撲し, 左肩痛と著明な左上肢挙上制限が生じたため, 1992年6月当科を初診した. 初診時, 肩峰及び大結節の異常突出を認めた. 自外転運動は20度 (他動運動は160度) であった. 三角筋断裂と腱板断裂と診断し三角筋縫合術と腱板縫合術を行った. 術中...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 42; no. 4; pp. 1663 - 1666
Main Authors 山口, 和博, 明島, 淳民, 衛藤, 正雄, 伊藤, 信之, 岩崎, 勝郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1993
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.42.1663

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Summary:我々は外傷性三角筋断裂と腱板断裂を合併した1例を経験した. 症例, 69歳, 女性, 職業: 農業. 現病歴, 1987年頃より両側の肩関節痛とこれに伴う運動制限が出現し, 近医で局麻剤と steroid の注射を肩甲上腕関節および肩峰下滑液包に数回受けていた. 局注後は両側とも160度外転可能であった. 1991年10月すべって左肩を木壁で打撲し, 左肩痛と著明な左上肢挙上制限が生じたため, 1992年6月当科を初診した. 初診時, 肩峰及び大結節の異常突出を認めた. 自外転運動は20度 (他動運動は160度) であった. 三角筋断裂と腱板断裂と診断し三角筋縫合術と腱板縫合術を行った. 術中, 三角筋は肩峰より約2cm遠位部筋腹で断裂し, また棘上筋腱と棘下筋腱の大断裂を確認した. 腱板断裂がある場合, 外転運動における三角筋の重要性を示した例と考えた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.42.1663