骨縁下欠損に対する非吸収性膜による組織再生誘導法の5年経過症例の臨床的検討

• Published in: 日本歯周病学会会誌 Vol. 38; no. 2; pp. 211 - 219
• Main Authors: 小出, 雅則, 野口, 俊英, 石川, 和弘, 稲垣, 幸司, 西山, 左枝子, 柳楽, たまき, 遠矢, 東昭, 鈴木, 弘毅, 吉成, 伸夫, 森, 厚, 天埜, 克彦
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本歯周病学会 1996; 日本歯周病学会
• Subjects: 伸展四フッ化エチレンメンブレン; 歯肉剥離掻爬術; 組織再生誘導法; 術後5年; 非吸収性膜
• ISSN: 0385-0110; 1880-408X
• DOI: 10.2329/perio.38.211

GTR法の5年間の臨床的評価を行うために, 成人性歯周炎を有する患者28名に対して14名14部位 (年齢21から57歳, 平均40.9歳の男性3名, 女性11名の14名) に組織再生誘導法 (GTR群), 14名14部位 (年齢23から54歳, 平均39.6歳の男性5名, 女性9名の14名) に歯肉剥離掻爬術 (FOP群) を行った。GTR群の被験部位の骨欠損形態は, 1壁性骨欠損1部位, 2壁性骨欠損11部位, 3壁性骨欠損2部位であった。FOP群の被験部位の骨欠損形態は, 1壁性骨欠損2部位, 2壁性骨欠損9部位, 3壁性骨欠損3部位であった。術前, 術後5年の臨床所見から, 歯周ボクット (PD) の減少量はGTR群3.9±1.6mm, FOP群2.9±1.5 mmであり, 臨床的アタッチメントレベル (CAL) の獲得量はGTR群3.2±1.8mm, FOP群1.1±1.4mmであり, 歯肉退縮量 (MR) は, GTR群0.7±1.3mm, FOP群1.8±1.5mmであった。GTR群の術前, 術後5年のCALに有意な改善を認めた。また, CALの獲得量は, GTR群がFOP群と比べて有意な増加を示した。さらに術後1年と5年の間の両群のPD, CALは安定していた。以上より, 5年間にわたってGTR群のPD, CALは安定しており, 有用であることが示唆された。