肛門部尖圭コンジローマ症例のHPVタイプについての検討

肛門部尖圭コンジローマ症例をHPVタイプにより分類し,疫学的,臨床的違いの有無について検討した.液相ハイブリダイゼーション法によりHPVのハイリスク型,ローリスク型の有無を調べえた166症例をHPVタイプ(ハイリスク:H ローリスク:L 陽性+ 陰性-)で分類すると,H+L+型39例,H+L-型2例,H-L+型97例,H-L-型28例であった.H+L+型は男性が多く,H-L-型は女性が多く年齢層が高いという傾向があった.居住地では,千葉北西部でH-症例,東京都内でH+症例が多く,疫学的違いがある可能性が考えられた.肉眼型では,H-L-型で散在型が多く臨床的な違いのある可能性も示唆された.HIV...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 62; no. 7; pp. 466 - 470
Main Authors 辻仲, 康伸, 浜畑, 幸弘, 田澤, 章宏, 堤, 修, 高瀬, 康雄, 新井, 健広, 星野, 敏彦, 赤木, 一成, 中島, 康雄, 松尾, 恵五, 北山, 大祐, 角田, 祥之, 指山, 浩志, 南, 有紀子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2009
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.62.466

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Summary:肛門部尖圭コンジローマ症例をHPVタイプにより分類し,疫学的,臨床的違いの有無について検討した.液相ハイブリダイゼーション法によりHPVのハイリスク型,ローリスク型の有無を調べえた166症例をHPVタイプ(ハイリスク:H ローリスク:L 陽性+ 陰性-)で分類すると,H+L+型39例,H+L-型2例,H-L+型97例,H-L-型28例であった.H+L+型は男性が多く,H-L-型は女性が多く年齢層が高いという傾向があった.居住地では,千葉北西部でH-症例,東京都内でH+症例が多く,疫学的違いがある可能性が考えられた.肉眼型では,H-L-型で散在型が多く臨床的な違いのある可能性も示唆された.HIV陽性例はH+L+型7例,H+L-型1例,H-L+型2例にみられH+症例で高率であった.術後の再発率は全体として33%であるが,HIV陽性例では67%と高く,免疫抑制状態が再発に関連すると考えられた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.62.466