スルピリンによると思われる皮膚石灰沈着症
ハンセン病患者の痛みに対して, スルピリンを大量に注射したために発生したと思われる皮膚石灰沈着症が6例発見された. 男性2名, 女性4名で, 年齢は56歳から86歳までであった. 病型はL型5例, T型1例. 大量長期間に注射を受けた時期は, 1954年から1977年までにとくに多く, 症例1の場合は過去10年間に4940本の注射を主として左右の上腕外側に受けており, その部位に一致して石灰沈着の発生が認められた. 当時の痛みの病名, 石灰沈着の部位, 血清Ca, P, Al-F, 尿素N. 値およびRA法による抗PGL抗体などを一括して表示したが, CaやPの代謝異常を疑う数値は, どの症例...
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| Published in | 医療 Vol. 46; no. 6; pp. 463 - 468 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 国立医療学会
1992
国立医療学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
| DOI | 10.11261/iryo1946.46.463 |
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| Summary: | ハンセン病患者の痛みに対して, スルピリンを大量に注射したために発生したと思われる皮膚石灰沈着症が6例発見された. 男性2名, 女性4名で, 年齢は56歳から86歳までであった. 病型はL型5例, T型1例. 大量長期間に注射を受けた時期は, 1954年から1977年までにとくに多く, 症例1の場合は過去10年間に4940本の注射を主として左右の上腕外側に受けており, その部位に一致して石灰沈着の発生が認められた. 当時の痛みの病名, 石灰沈着の部位, 血清Ca, P, Al-F, 尿素N. 値およびRA法による抗PGL抗体などを一括して表示したが, CaやPの代謝異常を疑う数値は, どの症例にも見られなかった. なお, H. E. 染色による病理組織所見, 摘出した石灰成分の示差熱と重量分析, X線回折図による結晶性化合物の同定, 化学分析によるF, P, Caの定量を試みたのであわせて報告する. |
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| ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
| DOI: | 10.11261/iryo1946.46.463 |