種々のイオン化法による質量分析法を用いる難溶性有機顔料の構造解析

種々のイオン化法を用いて難溶性の有機顔料の質量分析を行った.その結果,正イオンマススペクトルにおいてレーザー脱離イオン化(LDI),多孔質シリコンを利用した脱離イオン化(DIOS)及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法では,プロトン化分子のほか,ラジカルカチオンとプロトン化分子の混成した分子イオン種が得られた.電子イオン化(EI)法ではラジカルカチオン,化学イオン化(CI)法ではプロトン化分子が得られた.一方,負イオンスペクトルの場合,LDI,DIOS及びMALDI法については,ラジカルアニオンのほかプロトン脱離分子,ヒドリド付加分子などの分子イオン種が,EI及びCI法では主...

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Published in分析化学 Vol. 57; no. 4; pp. 265 - 271
Main Authors 窪田, 雅之, 荒川, 隆一, 藤田, 憲一, 川崎, 英也, 浅井, 重博, 金井, みち子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2008
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.57.265

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Summary:種々のイオン化法を用いて難溶性の有機顔料の質量分析を行った.その結果,正イオンマススペクトルにおいてレーザー脱離イオン化(LDI),多孔質シリコンを利用した脱離イオン化(DIOS)及びマトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法では,プロトン化分子のほか,ラジカルカチオンとプロトン化分子の混成した分子イオン種が得られた.電子イオン化(EI)法ではラジカルカチオン,化学イオン化(CI)法ではプロトン化分子が得られた.一方,負イオンスペクトルの場合,LDI,DIOS及びMALDI法については,ラジカルアニオンのほかプロトン脱離分子,ヒドリド付加分子などの分子イオン種が,EI及びCI法では主にラジカルアニオンが得られた.また,EI及びCI-イオントラップ質量分析計を用いたMSn分析によって,有機顔料の主成分と不純物の構造解析を行った.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.57.265