A, CおよびG群レンサ球菌の産生するストレプトリジンのリポソーム膜障害作用

A, CおよびG群レンサ球菌の産生する溶血毒素はA群レンサ球菌の産生するストレプトリジンS (SLS) を除いて等電点, 溶血効率, 還元剤依存性, およびリポソーム膜障害性の成績より同一機序に従うことを確認した. SLSではリポソーム膜障害が示されないとこれまでに報告されているが, ストレプトリジンO (SLO) と大きく機序が異なるSLSでも濃度依存的に膜障害が認められた. これらの成績は, 種々分子径の異なる物質による溶血保護効果の成績より得た, 膜上に約3.5nmの孔径が推定されるとのわれわれの見解を支持する. SLSはコロイド浸透圧過程を経る溶血様式を示すものの, リポソーム膜障害作...

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Published in生物物理化学 Vol. 41; no. 6; pp. 351 - 355
Main Authors 関谷, 有紀子, 小林, 貞男, 白戸, 由香子, 吉原, 英児, 鈴木, 潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 1997
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ISSN0031-9082
1349-9785
DOI10.2198/sbk.41.351

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Summary:A, CおよびG群レンサ球菌の産生する溶血毒素はA群レンサ球菌の産生するストレプトリジンS (SLS) を除いて等電点, 溶血効率, 還元剤依存性, およびリポソーム膜障害性の成績より同一機序に従うことを確認した. SLSではリポソーム膜障害が示されないとこれまでに報告されているが, ストレプトリジンO (SLO) と大きく機序が異なるSLSでも濃度依存的に膜障害が認められた. これらの成績は, 種々分子径の異なる物質による溶血保護効果の成績より得た, 膜上に約3.5nmの孔径が推定されるとのわれわれの見解を支持する. SLSはコロイド浸透圧過程を経る溶血様式を示すものの, リポソーム膜障害作用を示すことより, 孔形成細胞膜障害毒素である可能性が示唆された.
ISSN:0031-9082
1349-9785
DOI:10.2198/sbk.41.351