特別支援学級在籍児童に対する刺激-反応ネットワークを活用したローマ字指導の効果

刺激等価性のパラダイムを用いて刺激-反応ネットワークを構成し、特別支援学級在籍児童に対して有効なローマ字指導法を検討することを目的とした。主として多重ベースラインデザインを使用した。特別支援学級の教室で実施した。知的障害児と自閉症スペクトラム児で構成される計4名が参加した。指導は5 つのフェイズと般化テストによって構成された。独立変数は、プリント教材、紙製のカード、口頭での教示、黒板およびノートを用いた指導の有無であった。従属変数は書字および口頭反応の正答数(または正答率)であった。指導の結果、全参加児においてアルファベットの筆記、大文字・小文字間の変換、ローマ字の筆記、口頭での綴りの表出、ロ...

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Published in自閉症スペクトラム研究 Vol. 20; no. 2; pp. 61 - 70
Main Author 河村, 優詞
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会 28.02.2023
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ISSN1347-5932
2434-477X
DOI10.32220/japanacademyofas.20.2_61

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Summary:刺激等価性のパラダイムを用いて刺激-反応ネットワークを構成し、特別支援学級在籍児童に対して有効なローマ字指導法を検討することを目的とした。主として多重ベースラインデザインを使用した。特別支援学級の教室で実施した。知的障害児と自閉症スペクトラム児で構成される計4名が参加した。指導は5 つのフェイズと般化テストによって構成された。独立変数は、プリント教材、紙製のカード、口頭での教示、黒板およびノートを用いた指導の有無であった。従属変数は書字および口頭反応の正答数(または正答率)であった。指導の結果、全参加児においてアルファベットの筆記、大文字・小文字間の変換、ローマ字の筆記、口頭での綴りの表出、ローマ字単語の読み書きが獲得された。小学校ですでに使用されている方法を活用した指導法であり、有効かつ社会的妥当性を有する手続きであると考えられた。
ISSN:1347-5932
2434-477X
DOI:10.32220/japanacademyofas.20.2_61