周期性一側てんかん型放電をともない,てんかん性失語重積状態をくりかえした辺縁系脳炎の1例
症例は51歳男性例で,痙攣,精神症状,感覚性失語をみとめ,入院した.髄液検査で単核球優位の細胞数増多,頭部MRIでは海馬,扁桃体を中心とした左側頭葉内側部,前頭葉眼窩部に病変をみとめ,辺縁系脳炎と診断した.脳波では左半球に周期性一側性てんかん型放電(periodic lateralized epileptiform discharges:PLEDs)をみとめた.経過中に,感覚性失語とPLEDsが同期して出現し,抗てんかん薬の投与にて両者の消失をみとめ,てんかん性失語重積状態と考えられた.辺縁系脳炎の診療をする際,てんかん性失語重積状態も念頭におく必要がある....
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| Published in | 臨床神経学 Vol. 51; no. 2; pp. 135 - 140 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本神経学会
2011
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
| DOI | 10.5692/clinicalneurol.51.135 |
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| Summary: | 症例は51歳男性例で,痙攣,精神症状,感覚性失語をみとめ,入院した.髄液検査で単核球優位の細胞数増多,頭部MRIでは海馬,扁桃体を中心とした左側頭葉内側部,前頭葉眼窩部に病変をみとめ,辺縁系脳炎と診断した.脳波では左半球に周期性一側性てんかん型放電(periodic lateralized epileptiform discharges:PLEDs)をみとめた.経過中に,感覚性失語とPLEDsが同期して出現し,抗てんかん薬の投与にて両者の消失をみとめ,てんかん性失語重積状態と考えられた.辺縁系脳炎の診療をする際,てんかん性失語重積状態も念頭におく必要がある. |
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| ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
| DOI: | 10.5692/clinicalneurol.51.135 |