胆管結紮ラットにおけるerythromycinとvinblastineの尿中排泄の検討

• Published in: 胆道 Vol. 16; no. 5; pp. 387 - 391
• Main Authors: 高田, 由紀子, 笹本, 貴広, 丸茂, 達之, 高柳, もとえ, 相磯, 光彦, 高森, 頼雪, 北條, 誠, 田中, 洋行, 栗原, 裕子, 滝川, 一
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本胆道学会 2002
• Subjects: 尿中排泄; 胆管結紮ラット; 閉塞性黄疸
• ISSN: 0914-0077; 1883-6879
• DOI: 10.11210/tando1987.16.5_387

閉塞性黄疸時には, 胆汁中排泄物質は肝より血中に逆流し, 尿中排泄が主な排泄経路となる. 今回, 胆汁中排泄型のカチオン系薬物であり, 胆汁中排泄にP糖蛋白が関与しているerythromycin(EM)およびvinblastine(VLB)の尿中排泄能を3日間の胆管結紮ラットで検討した.尿中排泄(4時間の累積)は,EMでは対照の1.9±3.6%に比し胆管結紮ラットでは49±5.2%,VLBは対照7.4±2.2%に比し胆管結紮ラットでは18.2±4.7%と,ともに胆管結紮ラットで有意に増加した.胆管結紮ラットでは,通常では役割の少ない尿中排泄が排泄経路として重要となるが,有機カチオンの尿中排泄は物質により異なり,VLBよりもEMの方がその効率が良好であった.