孤立性失書を呈した球麻痺型筋萎縮性側索硬化症
失語症・認知症をともなわず孤立性失書を合併した球麻痺型ALSの2例を報告した.書字障害の内容は仮名の脱字がもっともめだち,仮名・漢字の錯書がみられた.さらに,文法障害を示唆する助詞の脱落や誤りもみとめられた.MRIでの脳萎縮は軽微であったが,SPECTでは左優位に両側前頭側頭葉の取り込み低下をみとめた.失書はALSにともなう認知症の初期症状として重要と考えられ,責任病巣として左前頭葉が推定された....
Saved in:
Published in | 臨床神経学 Vol. 50; no. 2; pp. 81 - 86 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2010
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.50.81 |
Cover
Summary: | 失語症・認知症をともなわず孤立性失書を合併した球麻痺型ALSの2例を報告した.書字障害の内容は仮名の脱字がもっともめだち,仮名・漢字の錯書がみられた.さらに,文法障害を示唆する助詞の脱落や誤りもみとめられた.MRIでの脳萎縮は軽微であったが,SPECTでは左優位に両側前頭側頭葉の取り込み低下をみとめた.失書はALSにともなう認知症の初期症状として重要と考えられ,責任病巣として左前頭葉が推定された. |
---|---|
ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.50.81 |