生ごみ主体の準好気性埋立構造からの浸出水発生メカニズム

生ごみの直接埋立が主体である開発途上国では,準好気性埋立構造における生ごみ由来の浸出水量は,埋立条件によっては,降水由来の浸出水量と比較して無視できないと考えられる。そこで本研究では,生ごみを充填して行った準好気性埋立構造の大型埋立実験槽の物質収支を考慮して,埋立廃棄物層内部の主要な物質変換である有機物生物分解過程に関する既往の知見に基づき,化学量論的に関連する物質量 (H2O等) の推定法を考案し,この推定法に基づいて実験データを再解析した。その結果,生ごみとともに運び込まれた水分に生ごみの生物分解に伴う生成水が加わった保有水が,埋立廃棄物層の沈下に伴って浸出水となる浸出水発生メカニズムを明...

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Published in廃棄物資源循環学会論文誌 Vol. 24; no. 5; pp. 79 - 87
Main Authors 平田, 修, 松藤, 康司, 真次, 寛, 田中, 綾子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2013
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ISSN1883-5856
1883-5899
DOI10.3985/jjsmcwm.1130304

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Summary:生ごみの直接埋立が主体である開発途上国では,準好気性埋立構造における生ごみ由来の浸出水量は,埋立条件によっては,降水由来の浸出水量と比較して無視できないと考えられる。そこで本研究では,生ごみを充填して行った準好気性埋立構造の大型埋立実験槽の物質収支を考慮して,埋立廃棄物層内部の主要な物質変換である有機物生物分解過程に関する既往の知見に基づき,化学量論的に関連する物質量 (H2O等) の推定法を考案し,この推定法に基づいて実験データを再解析した。その結果,生ごみとともに運び込まれた水分に生ごみの生物分解に伴う生成水が加わった保有水が,埋立廃棄物層の沈下に伴って浸出水となる浸出水発生メカニズムを明らかにすることができた。また,降水由来の浸出水量と生ごみ由来の浸出水量は,一定の条件下においては,それぞれ独立して算出することが可能であることを明らかにすることができた。
ISSN:1883-5856
1883-5899
DOI:10.3985/jjsmcwm.1130304