BRAF V600E変異陽性大腸癌治療におけるcell-free DNAの有用性
目的:BRAF V600E変異陽性大腸癌治療におけるcell-free DNA(cfDNA)のバイオマーカーとしての有用性を検証する.方法:対象はBRAF V600E変異陽性の大腸癌StageIV 10例(コホート1)とStageII・III治癒切除術後21例(コホート2).末梢血cfDNA中のBRAF変異をDroplet Digital PCRを用いて評価した.結果:[コホート1]cfDNA BRAFが陰性化した3例とその他で生存率に有意差は認めなかったが(P=0.524),治療効果判定に関してcfDNA BRAFは腫瘍マーカーよりも病状を反映した.[コホート2]術後cfDNA BRAF陰性...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 76; no. 2; pp. 123 - 128 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2023
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Subjects | |
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ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.76.123 |
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Summary: | 目的:BRAF V600E変異陽性大腸癌治療におけるcell-free DNA(cfDNA)のバイオマーカーとしての有用性を検証する.方法:対象はBRAF V600E変異陽性の大腸癌StageIV 10例(コホート1)とStageII・III治癒切除術後21例(コホート2).末梢血cfDNA中のBRAF変異をDroplet Digital PCRを用いて評価した.結果:[コホート1]cfDNA BRAFが陰性化した3例とその他で生存率に有意差は認めなかったが(P=0.524),治療効果判定に関してcfDNA BRAFは腫瘍マーカーよりも病状を反映した.[コホート2]術後cfDNA BRAF陰性例は無再発で経過したが,術後陽性例では早期再発をきたし,病状悪化は急速であった.考察:BRAF大腸癌においてcfDNA BRAFは切除不能例の治療効果,治癒切除例の微小残存病変評価双方で有用な可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.76.123 |