ムスカリン作働性M3アセチルコリン受容体における第二細胞外ループ25merに対するモノクローナル抗体の作製と機能解析

【目的】唾液や涙液分泌に関与するムスカリン作働性M3 アセチルコリン受容体 (M3R) における第二細胞外領域25mer (M3R25) に対するモノクローナル抗体の作製および機能解析について検討した。【方法】1) M3R25ペプチド免疫マウス由来の脾細胞を用い、PEG法にて抗M3R25モノクローナル抗体産生ハイブリドーマクローンを作製した。2) ハイブリドーマ培養上清よりIgGを精製し、アイソタイプを決定した。3) ヒトリコンビナントM3R (hrM3R) 蛋白との結合をウエスタンブロッティング法にて確認した。4) HSG細胞における塩酸セビメリン添加時の細胞内カルシウム濃度を測定した。5)...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 92
Main Authors 澁谷, 彰, 松本, 功, 飯塚, 麻菜, 坪井, 洋人, 住田, 孝之, 中村, 友美, 後藤, 大輔, 林, 太智, 伊藤, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2009
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.37.0.92.0

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Summary:【目的】唾液や涙液分泌に関与するムスカリン作働性M3 アセチルコリン受容体 (M3R) における第二細胞外領域25mer (M3R25) に対するモノクローナル抗体の作製および機能解析について検討した。【方法】1) M3R25ペプチド免疫マウス由来の脾細胞を用い、PEG法にて抗M3R25モノクローナル抗体産生ハイブリドーマクローンを作製した。2) ハイブリドーマ培養上清よりIgGを精製し、アイソタイプを決定した。3) ヒトリコンビナントM3R (hrM3R) 蛋白との結合をウエスタンブロッティング法にて確認した。4) HSG細胞における塩酸セビメリン添加時の細胞内カルシウム濃度を測定した。5) ハイブリドーマクローンのIgVHおよびIgVκ鎖のCDR領域におけるアミノ酸配列を解析した。【結果】1) 抗M3R25抗体産生クローンは、4クローン得られた。2) アイソタイプは、いずれもIgG2b・κであった。3) 4つの抗M3R25モノクローナル抗体は、hrM3R蛋白と結合することが認められた。4) 抗M3R25モノクローナル抗体と共培養したHSG細胞は、塩酸セビメリン刺激時において細胞内カルシウムを抑制する傾向が認められた。5) IgVHおよびIgVκ鎖のCDR領域におけるアミノ酸配列の解析は、現在検討中である。【結語】抗M3R25モノクローナル抗体は、細胞内シグナルを抑制する機能的抗体であることが判明した。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.37.0.92.0