欧米のガイドラインにおける医療用オピオイドの位置づけと今後の展望

2010年1月に,フェンタニル貼付薬が非がん性の慢性疼痛に対する適応を取得して以来,本邦でも,非がん性の慢性疼痛への医療用オピオイドの使用についての議論が活発となっている.欧米では,医療用オピオイドに関する多くのエビデンスやガイドラインが発表されており,その中で医療用オピオイドは非がん性の慢性疼痛の第2選択,第3選択薬としての有用性があるとされ,その使用方法が示されている.これにより,医療用オピオイドは非がん性の慢性疼痛に対しても広く使用されているが,副作用や依存性などについての問題が指摘されている.医療用オピオイドは適切な患者に適正に使用することで,慢性疼痛に長期間悩んでいる患者に対する大き...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 31; no. 4; pp. 605 - 612
Main Author 森本, 昌宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2011
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.31.605

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Summary:2010年1月に,フェンタニル貼付薬が非がん性の慢性疼痛に対する適応を取得して以来,本邦でも,非がん性の慢性疼痛への医療用オピオイドの使用についての議論が活発となっている.欧米では,医療用オピオイドに関する多くのエビデンスやガイドラインが発表されており,その中で医療用オピオイドは非がん性の慢性疼痛の第2選択,第3選択薬としての有用性があるとされ,その使用方法が示されている.これにより,医療用オピオイドは非がん性の慢性疼痛に対しても広く使用されているが,副作用や依存性などについての問題が指摘されている.医療用オピオイドは適切な患者に適正に使用することで,慢性疼痛に長期間悩んでいる患者に対する大きな武器となりうるものと考える.この点からは,本邦における医療用オピオイド使用のためのガイドライン・指針の作成が望まれる.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.31.605