胸腔内穿破した特発性食道破裂に対する内視鏡下閉鎖術の一例

症例は46歳女性で,嘔吐後の上腹部から左肩の痛み,呼吸苦を訴え救急車にて近医を受診.特発性食道破裂の診断にて当院紹介となった.CTでは左胸水が多量に認められ,胸腔内穿破を伴う特発性食道破裂と判断し胸腔ドレーンを左胸腔に挿入した.ガストログラフィン注入による透視では1cm程の穿孔部が確認され,ドレーンにより良好にドレナージされること,全身状態も保たれている事より保存的に経過観察とした.その経過中に炎症所見の遷延化を認めたため,内視鏡下クリップ閉鎖術を施行した.その直後の透視においては穿孔部の閉鎖が確認され,ドレーンからの流出も減少し,入院10日目に水分,14日目に食事開始し特に合併症なく退院とな...

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Published in昭和学士会雑誌 Vol. 74; no. 1; pp. 96 - 102
Main Authors 有吉, 朋丈, 青木, 武士, 五藤, 哲, 藤森, 聡, 加藤, 礼, 山崎, 公靖, 山下, 剛史, 佐藤, 篤, 広本, 昌裕, 大塚, 耕司, 渡辺, 誠, 村上, 雅彦, 加藤, 貴史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 2014
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ISSN2187-719X
2188-529X
DOI10.14930/jshowaunivsoc.74.96

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Summary:症例は46歳女性で,嘔吐後の上腹部から左肩の痛み,呼吸苦を訴え救急車にて近医を受診.特発性食道破裂の診断にて当院紹介となった.CTでは左胸水が多量に認められ,胸腔内穿破を伴う特発性食道破裂と判断し胸腔ドレーンを左胸腔に挿入した.ガストログラフィン注入による透視では1cm程の穿孔部が確認され,ドレーンにより良好にドレナージされること,全身状態も保たれている事より保存的に経過観察とした.その経過中に炎症所見の遷延化を認めたため,内視鏡下クリップ閉鎖術を施行した.その直後の透視においては穿孔部の閉鎖が確認され,ドレーンからの流出も減少し,入院10日目に水分,14日目に食事開始し特に合併症なく退院となった.今回,内視鏡下閉鎖術が有効であった特発性食道破裂を経験したので報告する.
ISSN:2187-719X
2188-529X
DOI:10.14930/jshowaunivsoc.74.96