粗い斜面上の粉体流における密度およびサイズの異なる粒子の分離

火砕流堆積物の主な特徴は,鉛直方向に密度やサイズによる様々な分離が見られることである.これらの特徴を生じるメカニズムを理解するために,我々は表面が粗い斜面上を流れ,密度やサイズの異なる異物を含む粉粒体を数値的に調べた.数値計算結果は,異物粒子は密度に応じてマトリックス粒子中を上昇あるいは下降することを示した.これらの密度およびサイズによる分離は,異物粒子が流動化した粉粒体から受ける浮力および粘性抵抗に支配されていることを示している.さらに計算結果は,流れの中心部では異物粒子に働く粉粒体の抵抗は液体の粘性抵抗の法則に従うことを示唆している....

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Published in地質学雑誌 Vol. 117; no. 3; pp. 116 - 121
Main Authors 三谷, 典子, 門野, 敏彦, マトゥティス, ハンス―ゲオルグ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地質学会 2011
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ISSN0016-7630
1349-9963
DOI10.5575/geosoc.117.116

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Summary:火砕流堆積物の主な特徴は,鉛直方向に密度やサイズによる様々な分離が見られることである.これらの特徴を生じるメカニズムを理解するために,我々は表面が粗い斜面上を流れ,密度やサイズの異なる異物を含む粉粒体を数値的に調べた.数値計算結果は,異物粒子は密度に応じてマトリックス粒子中を上昇あるいは下降することを示した.これらの密度およびサイズによる分離は,異物粒子が流動化した粉粒体から受ける浮力および粘性抵抗に支配されていることを示している.さらに計算結果は,流れの中心部では異物粒子に働く粉粒体の抵抗は液体の粘性抵抗の法則に従うことを示唆している.
ISSN:0016-7630
1349-9963
DOI:10.5575/geosoc.117.116