関節鏡下腱板修復術における腱板リリースの効果の検討

関節鏡下腱板修復術(ARCR)において腱板のリリースを必要とした症例の臨床成績及び再断裂率を検討した.ARCRを施行した68肩を対象とし,腱板周囲のリリースを行った群(R群)41肩,行わなかった群(N群)27肩の2群に分け検討した.日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準,自動可動域ともに術後有意に改善し,両者とも術前後とも2群間に有意差は認めなかった.再断裂率はR群23.3%,N群27.3%で2群間に有意差を認めなかった.またsingle-row法で修復された腱板の再断裂率はN群60%,R群42.9%であった.R群ではリリース無しでは一次修復不能な腱板がリリースによって一次修復可能となり,...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 69; no. 2; pp. 393 - 395
Main Authors 廣津, 匡隆, 藤井, 康成, 中村, 俊介, 藤元, 祐介, 泉, 俊彦, 栫, 博則, 谷口, 昇, 海江田, 英泰, 海江田, 光祥, 瀬戸口, 啓夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2020
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.69.393

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Summary:関節鏡下腱板修復術(ARCR)において腱板のリリースを必要とした症例の臨床成績及び再断裂率を検討した.ARCRを施行した68肩を対象とし,腱板周囲のリリースを行った群(R群)41肩,行わなかった群(N群)27肩の2群に分け検討した.日本整形外科学会肩関節疾患治療成績判定基準,自動可動域ともに術後有意に改善し,両者とも術前後とも2群間に有意差は認めなかった.再断裂率はR群23.3%,N群27.3%で2群間に有意差を認めなかった.またsingle-row法で修復された腱板の再断裂率はN群60%,R群42.9%であった.R群ではリリース無しでは一次修復不能な腱板がリリースによって一次修復可能となり,臨床成績,再断裂ともにリリースを要しなかった群と有意差を認めず,腱板周囲のリリースは効果的であると考えた.一方リリースを併用しないsingle-row法による修復は検討の余地があると考えた.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.69.393