リハビリテーションによる機能回復 嚥下障害

「I. はじめに」 喉頭の機能は呼吸・発声・嚥下である. 中でも嚥下は発声と同様に, 人が人らしく生活する上で重要な機能であるが, 今後, 日本は急速に高齢化社会に移行する. 患者数の増加が想定される嚥下障害患者に対して如何に嚥下障害を正しく評価し, アプローチするかの知識と技術の習得は耳鼻咽喉科専門医の責務でもある. 耳鼻咽喉科医が嚥下を扱う理由は, 嚥下に関する解剖学的な構造やその機能を最も理解している医師が耳鼻咽喉科医であり, その診療にあたる最適者だからである. 嚥下障害の治療は保存的治療と外科的治療に大別される. 保存的治療は主として嚥下内視鏡検査などで異常を認めた症例に, 嚥下状態...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 118; no. 3; pp. 273 - 278
Main Author 梅野, 博仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.03.2015
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.118.273

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Summary:「I. はじめに」 喉頭の機能は呼吸・発声・嚥下である. 中でも嚥下は発声と同様に, 人が人らしく生活する上で重要な機能であるが, 今後, 日本は急速に高齢化社会に移行する. 患者数の増加が想定される嚥下障害患者に対して如何に嚥下障害を正しく評価し, アプローチするかの知識と技術の習得は耳鼻咽喉科専門医の責務でもある. 耳鼻咽喉科医が嚥下を扱う理由は, 嚥下に関する解剖学的な構造やその機能を最も理解している医師が耳鼻咽喉科医であり, その診療にあたる最適者だからである. 嚥下障害の治療は保存的治療と外科的治療に大別される. 保存的治療は主として嚥下内視鏡検査などで異常を認めた症例に, 嚥下状態の改善もしくは維持を目的として行う. 保存的治療には嚥下指導と嚥下訓練がある. 「1. 嚥下指導」 嚥下指導は嚥下内視鏡検査(VE)などで何らかの異常を認めるが, 明らかな誤嚥がなく, 精神機能・身体機能が十分に維持された症例がよい適応となる.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.118.273