内視鏡下甲状腺手術 : システム導入からアプローチ法まで 内視鏡補助下甲状腺手術 (VANS) : システム導入からアプローチ法まで

内視鏡下甲状腺手術 Video-assisted neck surgery (VANS)は本邦で清水らによって1998年に報告されて以来取り組まれてきたが, 限られた施設でのみ施行されていた. 約20年の努力によって2016年度から良性疾患が, 2018年度から分化癌についても保険収載となり, 施行可能な施設は徐々に増加している. VANSは今まさに普及しようとしている手術手技であり, 施設基準から実際の手術手順および外切開と比較した特徴などについて基礎的な解説を行う. 「1. 準備から施設基準を満たすまで」保険請求のための施設基準は, まず緊急手術可能な医療機関であること. 執刀医は専門領域...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 123; no. 8; pp. 773 - 775
Main Author 菅野, 真史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.08.2020
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.123.773

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Summary:内視鏡下甲状腺手術 Video-assisted neck surgery (VANS)は本邦で清水らによって1998年に報告されて以来取り組まれてきたが, 限られた施設でのみ施行されていた. 約20年の努力によって2016年度から良性疾患が, 2018年度から分化癌についても保険収載となり, 施行可能な施設は徐々に増加している. VANSは今まさに普及しようとしている手術手技であり, 施設基準から実際の手術手順および外切開と比較した特徴などについて基礎的な解説を行う. 「1. 準備から施設基準を満たすまで」保険請求のための施設基準は, まず緊急手術可能な医療機関であること. 執刀医は専門領域10年目以上の常勤医であり, 良性疾患: 5例以上の執刀経験があること, 悪性疾患: 良性疾患5例以上かつ悪性疾患3例以上の執刀経験があること. 通常の頸部切開の症例経験数に最低基準を設けていないが, 相当数の経験を有した医師であることが望ましいと考える.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.123.773