日本生物物理学会第46回年会報告 生物物理若手奨励賞 第4回選考経過報告

「1. 第4回生物物理若手奨励賞について(曽我部)」 最近, 研究に順位優劣をつける風潮が強くなっています. 私はそのような流れに与する者ではありませんが, 研究には面白いものとそうではないものがあるのは事実です. 丹念な研究がある一方で手抜きが目立つものもあります. 生物物理学に比べて医学や工学にはすぐにも役立ちそうな成果が見られます. 一方, ときを経てからはじめて評価される研究もあります. メンデルや, ノーベル賞を受賞した田中博士や下村博士の研究などです. 若手研究者の場合, よき指導者や研究環境に恵まれている人もあれば, そうではない人もいるでしょう. これだけ多様な背景を背負った研...

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Published in生物物理 Vol. 49; no. 3; pp. 153 - 155
Main Authors 曽我部, 正博, 豊島, 陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本生物物理学会 2009
日本生物物理学会
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ISSN0582-4052
1347-4219
DOI10.2142/biophys.49.153

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Summary:「1. 第4回生物物理若手奨励賞について(曽我部)」 最近, 研究に順位優劣をつける風潮が強くなっています. 私はそのような流れに与する者ではありませんが, 研究には面白いものとそうではないものがあるのは事実です. 丹念な研究がある一方で手抜きが目立つものもあります. 生物物理学に比べて医学や工学にはすぐにも役立ちそうな成果が見られます. 一方, ときを経てからはじめて評価される研究もあります. メンデルや, ノーベル賞を受賞した田中博士や下村博士の研究などです. 若手研究者の場合, よき指導者や研究環境に恵まれている人もあれば, そうではない人もいるでしょう. これだけ多様な背景を背負った研究の優劣判定は容易ではありません. それでは一体, わが若手奨励賞の意義はどこにあるのでしょうか? 1つには若い人たちの励みなるからだと思っています. 功なった大先輩のすばらしい成果を聞くと, 憧れと同時に自分にもこんなことができるのだろうかという不安がつのります. 見本にしてはやや遠すぎるのですね.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.49.153