多時相腹部X線CT像の時相間濃度特徴計測に基づく肝臓がん検出

本論文では,2画像の濃度変化パターン解析に基づく腹部X線CT像からの肝臓がん検出手法を提案する.肝臓の診断では,通常の診断のCT像に加えて,造影剤注入後の撮影時間が異なる3つの画像(早期相,門脈相,晩期相)を用いる.特に,早期相と晩期相の画像は,がんがはっきりと造影されることから,肝臓がん診断の重要な診断画像である.そこで,提案手法では早期相と晩期相の2画像の濃度変化特徴に着目する.最初に晩期相から周囲より濃度の低い領域を可変近傍型差分処理で候補領域を抽出し,次に早期相と晩期相の濃度変化を関心領域内での分布特徴として評価し,拾い過ぎ領域の削減を行う.本手法を多時相X線CT像21例に対して適用し...

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Published inJournal of Computer Aided Diagnosis of Medical Images Vol. 10; no. 1; pp. 1 - 10
Main Authors 村瀬, 洋, 脇田, 悠樹, 林, 雄一郎, 井手, 一郎, 目加田, 慶人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医用画像工学会 2006
The Japanese Society of Medical Imaging Technology
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ISSN1347-9245
DOI10.11313/cadm.10.1

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Summary:本論文では,2画像の濃度変化パターン解析に基づく腹部X線CT像からの肝臓がん検出手法を提案する.肝臓の診断では,通常の診断のCT像に加えて,造影剤注入後の撮影時間が異なる3つの画像(早期相,門脈相,晩期相)を用いる.特に,早期相と晩期相の画像は,がんがはっきりと造影されることから,肝臓がん診断の重要な診断画像である.そこで,提案手法では早期相と晩期相の2画像の濃度変化特徴に着目する.最初に晩期相から周囲より濃度の低い領域を可変近傍型差分処理で候補領域を抽出し,次に早期相と晩期相の濃度変化を関心領域内での分布特徴として評価し,拾い過ぎ領域の削減を行う.本手法を多時相X線CT像21例に対して適用した結果,肝臓がんの検出率100%のときに拾いすぎ領域は症例あたり0.3個であった.
ISSN:1347-9245
DOI:10.11313/cadm.10.1