Composix Kugel Patch®を用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術の検討

目的:近年,Composix Kugel Patch®(CKP)を用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術は広く普及し,その有用性が報告されているが,合併症に関する報告は少ない.今回,当科で施行したCKPを用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術について検討し,合併症を中心に報告する.対象と方法:当科でCKPを用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術を施行した31例を対象とし,患者背景,臨床所見,術後合併症,手術成績について検討した.結果:合併症は3例(9.7%)に発生し,メッシュ感染2例,漿液腫1例であった.メッシュ感染の2例に対しては,メッシュ摘出術を施行した.合併症を認めた3例はbody mass index 30 kg/...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 11; pp. 3245 - 3249
Main Authors 多幾山, 渉, 坂部, 龍太郎, 佐藤, 幸雄, 佐伯, 修二, 向田, 秀則, 平林, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.3245

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Summary:目的:近年,Composix Kugel Patch®(CKP)を用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術は広く普及し,その有用性が報告されているが,合併症に関する報告は少ない.今回,当科で施行したCKPを用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術について検討し,合併症を中心に報告する.対象と方法:当科でCKPを用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術を施行した31例を対象とし,患者背景,臨床所見,術後合併症,手術成績について検討した.結果:合併症は3例(9.7%)に発生し,メッシュ感染2例,漿液腫1例であった.メッシュ感染の2例に対しては,メッシュ摘出術を施行した.合併症を認めた3例はbody mass index 30 kg/m2以上の高度肥満症例であった.術後再発を2例(6.5%)に経験した.結論:CKPを用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術は簡便で有用な術式であるが,特に高度肥満症例においては,メッシュ感染などの合併症に注意する必要があると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.3245