Rituximabが奏功した脳死肺移植後リンパ増殖性疾患の一例
移植後リンパ増殖性疾患(Posttransplant lymphoproliferative disorder,PTLD)は臓器移植後に発生する重篤な合併症であり,わが国における肺移植後のPTLDは稀である.今回,脳死肺移植後のPTLDに対しrituximabを用いた症例を経験したので報告する.症例は30歳代の男性で,若年性肺気腫に対し脳死両肺移植が行われた.移植後4ヵ月後のCTで両肺に多発結節影を認め,FDG-PETにて集積を認めた.経皮生検にてpolymorphic PTLDと診断した.免疫抑制剤の減量,抗ウィルス剤は無効で,引き続き抗CD20モノクローナル抗体であるrituximabを1...
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| Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 20; no. 6; pp. 870 - 874 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2006
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| Subjects | |
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| ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
| DOI | 10.2995/jacsurg.20.870 |
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| Summary: | 移植後リンパ増殖性疾患(Posttransplant lymphoproliferative disorder,PTLD)は臓器移植後に発生する重篤な合併症であり,わが国における肺移植後のPTLDは稀である.今回,脳死肺移植後のPTLDに対しrituximabを用いた症例を経験したので報告する.症例は30歳代の男性で,若年性肺気腫に対し脳死両肺移植が行われた.移植後4ヵ月後のCTで両肺に多発結節影を認め,FDG-PETにて集積を認めた.経皮生検にてpolymorphic PTLDと診断した.免疫抑制剤の減量,抗ウィルス剤は無効で,引き続き抗CD20モノクローナル抗体であるrituximabを1コース投与した.結節は縮小し,FDG-PETにおける集積は消失した.治療後1年以上経過し,腫瘤はほぼ消失し,再発徴候を認めていない. |
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| ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
| DOI: | 10.2995/jacsurg.20.870 |