Serotype 1高ウイルス量C型慢性肝炎に対するペグインターフェロンα-2b,リバビリン併用療法の有用性:東北地区における多施設共同研究成績

セロタイプ1型(Serotype1)高ウイルス量のC型慢性肝炎256例を対象に48週間のペグインターフェロンα-2b(PEG-IFNα-2b)・リバビリン(Ribavirn)併用療法の治療効果,忍容性,安全性について検討した.副作用による中止率は17.8%で,53例に軽度から中等度の副作用が認められた.全例でのsustained viological response(SVR)率44.5%であった.56歳以上と比べて56歳未満の例ではSVR率が著明に高く,PEG-IFNα-2bもしくはRibavirnの減量または両剤減量例は非減量例と比べSVR率は低い傾向にあった.多変量解析では治療前BMI≥...

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Published in肝臓 Vol. 52; no. 10; pp. 652 - 661
Main Authors 河田, 純男, 宮坂, 昭生, 後藤, 隆, 大西, 洋英, 坂本, 十一, 阿部, 弘一, 上野, 義之, 福田, 眞作, 斉藤, 貴史, 小松, 眞史, 鈴木, 一幸, 下瀬川, 徹, 大平, 弘正, 東北ウイルス肝炎治療研究グループ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2011
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.52.652

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Summary:セロタイプ1型(Serotype1)高ウイルス量のC型慢性肝炎256例を対象に48週間のペグインターフェロンα-2b(PEG-IFNα-2b)・リバビリン(Ribavirn)併用療法の治療効果,忍容性,安全性について検討した.副作用による中止率は17.8%で,53例に軽度から中等度の副作用が認められた.全例でのsustained viological response(SVR)率44.5%であった.56歳以上と比べて56歳未満の例ではSVR率が著明に高く,PEG-IFNα-2bもしくはRibavirnの減量または両剤減量例は非減量例と比べSVR率は低い傾向にあった.多変量解析では治療前BMI≥23.5,治療前ALT値≥62 IU/L,12週までのPEG-IFNα-2bのアドヒアランス(Adherence)≥80%,12週までのRibavirnのAdherence≥80%がSVRに寄与する有意な因子であった.以上より,serotype1で高ウイルス量のC型慢性肝炎に対する48週間のPEG-IFNα-2b・Ribavirn併用療法は安全で忍容性のある治療であると考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.52.652